人生100年時代と言われる近年、転ばぬ先の杖として老後の備えを整えておきたい所です。この終活コラムでは、おひとり様シニアライフで準備しておきたいお金について、シリーズ仕立てで紹介しています。
まず始めに、近年の厚生労働省による調査では、国内で58%の世帯、つまり過半数がの世帯が「高齢者のみ」あるいは「高齢者の一人暮らし」で生活を送っている状況が報告されています。このような傾向を知ると、現在は同居人がいる方にとっても、おひとり様で老後を迎える可能性を無視しておけません。
人生の最期を迎えるまでに起こり得るイベントに対して、おひとり様シニアライフで備えておきたい課題と資金について、コラムを通じて順番にお伝えしています。
今回のテーマは、終活の一環で「不用品を手放すこと」について。もちろん業者へ依頼して処分してもらうこともできますが、状態の良い物については買取に出して、その後のシニアライフの資金に回せたら何よりです。そこで「価値のありそうな不用品をお金に換えると」というテーマで今回のコラムはお届けします。
ちなみに、下記のリンクでは「おひとり様シニアライフのお金のはなし」について、他にも関連のテーマを紹介しています。
おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜認知症のばあい〜
おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜病気・怪我のばあい〜
おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜お墓問題について〜
おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜遺品の整理について〜
おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜葬儀について〜
おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜自宅の売却と税金について〜
おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜自宅の処分について〜
おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜価値のありそうな物の売却〜
査定金額がつきやすい不用品の代表例
下記のようなアイテムは、不用品の中でも比較的に良い値段で買取される可能性が高いと言われています。
時計 数万円〜数十万円
貴金属 購入額の1/10程度
カメラ 3,000〜30,000
家電 数百円〜30,000円程度
将棋盤 1,000~8,200円
着物 数百円〜50,000円
ゴルフ用品 セットの場合 〜50,000円
希少なお酒 1,000~数十万円(ブランデー等)
機能性が衰えていない電化製品の場合は、最低でも数千円で買い取ってもらえる場合が多いようです。一方で、意外と二束三文にしかならなかったという代表例が洋服や着物。生地や産地、年代によっては稀に高値がつく場合もありますが、一般的には大きな金額にはならない場合が多いのです。すでに着る機会が少ない衣類や着物であれば、整理整頓が身体の負担にならないうちに早めに手放すか、着てもらえそうな方に譲ることが賢明と言えそうですね。まずは一度査定に出してみると良いでしょう。
終活に伴う特殊なアイテム
続いて、これらのアイテムは終活ならではの不要品として手放す特殊なアイテム。
特に家に昔からある品々は、日用品としての値打ちがつかなくても、美術品・骨董品として高額査定されるケースもございます。一つの業者に依頼せず、できれば専門分野の異なる複数の買取業者へ査定を依頼すると良いでしょう。
金歯 1gあたり2,400円
元気で食事を取れる限りは必需品でもある金歯ですが、もしも手放す場合には「金」として買い取ってもらう可能性もあると言うことです。この場合、食器用洗剤で洗って綺麗な状態で売りに出しましょう。
仏具、仏壇 10,000〜50,000円
金や銅で作られている場合が多い仏具も意外と査定に出すと高値がつくアイテムです。仏像も作られた年代や背景によっては付加価値がつき、美術品として取り扱ってもらえることもございます。
価値がよく分からない美術品、工芸品、記念品 ゼロ円から数十万円まで
先祖代々で家にある品々も場合によっては骨董品として高値がつく場合もございます。一方でゼロ円の場合も。箱に入っているものは高額買取の値打ちがつく場合もございますので、箱を残したり、作者や年代を表す物を一緒に提出して、査定してもらいましょう。
不用品をお金に換える方法
1)出張買取を依頼する
もっとも負担が少ないのは、業者へ来てもらって査定を依頼する方法です。
しかし場合によっては出張費が差し引かれる場合もありますので、業者のサービス内容について調べましょう。また、先ほどご紹介した通り、買取業者によって得意とする分野が様々です。
自宅にたくさんの不用品がある場合には「電化製品」「衣類」「古物・美術品・コレクション」などカテゴリ別に分類の上、専門とする業者へ依頼することがお勧めです。
2)リサイクルショップへ持ち込む
近隣にリサイクルショップがある場合は、持ち込みで査定の上、買い取ってもらっても良いでしょう。但し車を出して大型の家電なども持ち込む必要がありますので、こちらは誰かに協力を依頼する可能性が高くなってしまいます。リサイクルショップへ持ち込むメリットは、査定額がつかないアイテム(例えば家電や衣類)についても無料で引き取ってもらえる可能性があることです。買取価格がつかない点は残念ですが、処分の費用や手間なく引き取ってもらえるのは魅力の一つ。この辺りの対応も店舗によって異なりますので、予め近隣のリサイクルショップへ問い合わせの上、不用品を持ち込んでみてくださいね。
3)フリマアプリを利用する
最後に利用者が年々増加しているフリマアプリという選択肢。自分自身で写真を撮って値段を決めて商品情報を入力して、コメントに対応して・・・と手間で考えると業者へ依頼するよりも負担が大きい手段です。
一方で価格を決めたり、手放す物がどのような方の元へ渡るのか、自分で知ることができるのもフリマアプリの面白さです。シニアライフで時間ができた折に少しずつ、フリマアプリで不用品を手放すのも方法の一つですね。
少しでも高額査定を目指すコツ
いくら高値で取得した物であっても、やはり手放す現在の状態をみて価値を査定されてしまうものです。現在の市場価値で見ても機能性が高い製品であれば、例えば代表例で言うと、プロ使用の一眼レフカメラは場合によっては数十万円の価値がつくことも。しかし、付属品を紛失していたり、説明書を破棄してしまっていたり、備品が揃っていないだけでも査定金額は徐々に減少します。
・購入時についていた備品があるようならば、セットで提出する(箱などを含む)
・なるべく綺麗な状態で査定を依頼する
・高額で売れそうなものは専門店へクリーニングへ出してから査定依頼する
・シーズンの1、2ヶ月前を狙って手放す
といった工夫によって、査定金額が多少UPする可能性もございます。シーズンの少し前を狙うことに関しては、例えば衣類。冬服の需要が高まる1、2ヶ月前に手放すと、真夏に買取へ出すよりも良い値段がついたりすることもあるようなので、もっとも価値が付きやすい時期を狙って売却できると最善ですね。
物によって手放す方法を各自決めていたら、いくらでも時間が過ぎてしまう物です。ある程度持ち物をカテゴリ分けした上で「処分業者へ依頼」「リサイクルショップへ依頼」「骨董・古物商の方へ依頼」と処分方法によって物を分別の上、段取りを組みたいものです。
他の終活テーマと同様に、時にプロの力を借りながら、段階的に進めてみてくださいね。
今回のコラムでは、価値のありそうな物の売却をテーマにご紹介させていただきました。
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会理事
株式会社 WISHLANE 取締役
【資格】
ファイナンシャルプランナー
終活アドバイザー
高齢者住まいアドバイザー
デジタル遺品アドバイザー
お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのあなた人生のスパイスとして一生涯サポートしています。
約5000人の保険コンサルティング実務経験から
「お金、心、身体」のトータルサポートが必然。
あなたの心からの笑顔と実現力を引き出すライフナビゲーター。
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