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親がペットを飼育出来なくなったらどうなる?

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親が病気などの事情でペットを飼えなくなったら、どうなってしまうか考えたことはありますか?

親が元気なうちは問題がなくとも、ペットよりも先に親が亡くなってしまうケースも起こり得るのです。

親が飼育出来なくなったら、親族はどうすればいいのか、知っておきたい飼育義務についてご説明します。

親族には飼育義務がある

実はもともと飼育していた親などが、ペットを飼えなくなったら親族に飼育義務が発生するのです。

人に飼育されていたペットは、動物愛護管理法により、終生飼育の義務があります。

この終生飼育とは、ペットの飼い主(所有者)の責務として、動物が寿命を迎えるまで、適切に飼育することを意味します。

つまり、飼い主がたとえ先に亡くなったり、病気などの事情から買えなくなったりしても、ほかの人が責任を持って飼育を続ける義務があるのです。

ほかの人とは具体的に、兄弟や娘、息子などの親族です。

参照:環境省

たとえ一緒に暮らしていなくとも、親が飼育出来なく慣れば親族に連絡が入ります。

この残されたペットの飼育を拒否すれば、飼育放棄の扱いとなり罰則対象となってしまいます。

もちろんペットを引き取りはしたものの、きちんと飼育せずに手放すことは動物遺棄になります。

動物の愛護及び管理に関する法律により、愛護動物を遺棄した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処することとされています。
動物を飼い始める前に最後まで飼えるかよく考え、飼い始めた動物は責任をもって終生飼育しましょう。

引用:愛知県

このように、ペットは最初の飼い主がいなくなっても、その家族が面倒を見る義務があるのです。

親や兄弟がペットを飼っている場合は、将来何か飼育できない状況になれば、自分たちが飼育する可能性があることを覚えておきましょう。

ペットは野生ではないので保健所は引き取らない

ペットは野生の動物ではありません。だからこそ、保健所で引き取る対象の動物であないのです。

たとえ親族が飼えないと伝えても、飼われていたペットは野生ではないので引き取り対象外となり、保健所は拒否します。

また保健所だけに限らず動物保護に関連するNPO法人などの保護団体も、個人からの引き取り依頼は基本的に拒否しているのです。

NPO法人などの団体も個人からの保護は拒否が基本

たとえ親が飼っていたペットでも、別世帯だとしても飼育依頼の連絡は入ります。

この飼育依頼を無視し続けていたとしても、保健所は引き取らず次の里親もなかなか見つからないことが、残されるペットの現状です。

しかし、ペットの里親を引き受けようとしても、ペット不可の賃貸で生活していたり、仕事柄家を空にする日が多いなど、どうしても飼えないケースもあります。

だからこそ、そのような場合にはペットの命を尊重し、できる範囲で里親探しに協力する必要があるのです。また、親が生前のうちにペットの飼育がむずかしいことをあらかじめ伝えることも大切です。

本来、ペットは飼い主が元気なうちに、次の里親や預けられる施設を探しておくことが責務です。

親によってはペットよりも先に亡くなる、飼育出来なくなる状況を考えない方もいます。しかし、誰にでも突然病気や死はやってきます。

子供としてペットの飼育義務の一部を担っているからこそ、飼育義務があるとわかったら意思を伝えておきましょう。

事前に話し合うことで、親があらかじめ引き取り先の施設や里親を探してくれる可能性もあるのです。

ペットの里親探しは苦労が多い

里親が見つかるまで、どのぐらいの月日がかかるのか分かりません。そして里親が見つかるまでの間、ペットのお世話をするだけでも費用や時間がかかるもの。

残されたペットや親族がお互いに疲れてしまい、共倒れになる可能性があるのです。せっかくお世話したペットもストレスから病気になるケースも考えられます。

おひとりさまや高齢者はペットの暮らしの安全を考えよう

おひとりさまや高齢者は、ペットを飼育するのなら、親族に迷惑がかからないように準備が必要です。

きちんと面倒を見てくれる里親や、飼育費を使ってペットの面倒を見てくれる信頼できる業者や団体を探しましょう。

特にペットの将来は、飼い主が健康なうちにどれだけ準備をしたかによって大きく状況が変わるものです。おひとりさまや高齢者世帯は、どうしてもペットより先に亡くなるリスクが高いものです。

これからは自分たちだけでペットを飼育するだけでなく、いざという状況に備えた準備を整えた万全な状態で迎えることが大切なのです。

また、ペットを飼えなくなったら、家族に飼育義務が発生することも覚えておきたいポイントです。

まとめ

ペットは癒しや喜びを与えてくれる存在です。しかし、それゆえにペットを最後まで責任持って面倒を見るという責務があります。

何らかの理由でペットの面倒を見られなくなったら、子供が親のペットを飼育する義務があると覚えておきましょう。

ペットを迎える可能性がある意識を持つことや、ペットの飼育が難しいのなら早めに親と相談することが大切です。

 

投稿者プロフィール

大和泰子
大和泰子
一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役

【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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