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おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜認知症のばあい〜

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おひとり様のシニアライフが珍しくない時代において

人生100年時代と言われる現代、定年後の備えはライフプランを立てる上で欠かせないテーマの一つとなっています。

このように平均寿命が高まっている中、厚生労働省の調査によれば近年の高齢者の暮らしを世帯別で分析すると、58%の世帯、つまり過半数が高齢者のみ、あるいは高齢者の一人暮らしである状況が報告されています。すなわち、おひとり様で老後を迎えることは誰にとっても身近なテーマということ。最期を迎えるまでに起こり得るイベントに対して、おひとり様シニアライフで備えておきたい課題と資金について、コラムを通じて順番にお伝えしていきたいと思います。

まず今回の記事では、認知症への備えについて。おひとり様のシニアライフで認知症になった場合に生じる手配とお金についてご紹介いたします。

ちなみに、「おひとり様シニアライフのお金のはなし」について、関連のテーマはこちらをご覧ください。

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認知症になった時に必要となる資金

それでは、認知症に備える場合に必要となる資金について詳しく見ていきましょう。

1)後見人の契約料 : 契約料10万円強 + 月額2〜5万円

認知症になった場合、お金の管理をする事が出来なくなります。同居家族や頼れる親族がいれば、一般的には身内に管理をお願いする事になります。しかしおひとり様の場合は、自分のお金の管理を第三者へ後見人としてに託す手続きが求められます。公的な契約を結ばなくとも友人やケアマネージャーなど、身近な人にお願いする事も可能ですが、予め公的な契約を結んで取り決めを行っておらず、本人の意思に反して勝手にお金を使い込まれてしまうトラブルが多発しています。

公的な制度を介して後見人との契約を結ぶ費用の内訳を見ると、

・公正証書の作成 平均10万円(+登録料などの実費)
・任意後見人への報酬 月額1~3万円
・専門家への顧問料 月額2~5万円(専門家へ後見人を依頼する場合)

主にこのようなお金が掛かると言われています。

認知症になった後の財産を託す後見人は慎重に選ぶ必要があると同時に、判断力がしっかりしているうちに自身の意思を伝えて、もしもの場合に証明できるような取り決めを行うことがトラブル回避の鉄則と言えそうです。

 

2)連帯保証人の委託料 : 35万円〜100万円程度

認知症の症状が進行すれば、施設への入居が必要となってきますが、この時には連帯保証人を探しだすことが求められます。連帯保証人は、緊急連絡先となる他に、未払いの医療費や入居料の滞納が発生した場合に肩代わりの責任を負う存在です。この連帯保証人を第三者に依頼する場合、35万円〜100万円程の契約金がかかります。

連帯保証人のサービスは、民間企業、社団法人、NPO法人など様々な団体が請け負っており、高額の場合は数百万円単位で必要となる場合もあるようです。各サービスによって保証内容や料金設定が異なりますので、予め相談に行ける法人を調べた上で、身元保証に必要となる予算を調べておきましょう。

3)在宅介護にかかるお金 : 約70万円 + 月額4〜5万円

体調が悪い場合や身体の一部が不自由な状態になった場合、身の回りの仕事を第三者に依頼する必要が生じます。

生命保険文化センターによる調査によると、在宅介護に伴うお金として、

・リフォームや備品のための一時費用 平均69万円
・常々の介護費用 月額4~5万円

このような平均金額が報告されています。

しかし介護が必要となる範囲によっても金額は幅広く異なるため、身体の状態に応じて必要となるお金が変化することを視野に入れておきましょう。

 

4)施設入居の手続きに同伴してもらうお金 : 5〜10万円

一人暮らしが困難となり施設の入居を検討する段階になった時は、介護施設などの見学の段階へ移ります。この場合、契約内容に誤解があったまま入居一時金を支払ってしまい後からトラブルに発展するケースも少なくありません。だからこそ、施設入居等の契約内容へ理解に長けた専門家へ依頼することが安心と言えそうです。

施設入居を考えるほど高齢になった時点で一人で慣れない場所の施設へ見学にいく不安に対しても、同行人に依頼できると心強いですね。施設見学についても、福祉系の法人が同行サービスを行っています。

・見学施設一軒あたり 約2万円
・交通費
・出張料  2万円程度(遠方の場合 / 場所や事務所の形態により変動)

いざという時にこのような出費の可能性があることを視野に入れておきましょう。

早めに備えたい、おひとり様シニアライフの可能性

サザエさんやちびまる子ちゃんに登場するような家族構成が一般的だった、かつての時代。この頃は一人で老後を迎えると言えば、家族との交流を断ち切ったような孤独なシニアライフのイメージが付き物だったのかもしれません。

しかし、高齢者のみで暮らす世帯が過半数をしめる近年においては、パートナーに先立たれてシングルで残りのシニアライフを送ることが珍しくありません。おひとり様で暮らす方、お子様のいないご夫婦、親を見送った後に一人暮らしになる可能性のある方、子供がいるものの事情により気軽に頼れる環境にない方。おひとり様でシニアライフを迎える背景も多様化しています。

だからこそ、家族がいてもいなくても、おひとり様で老後を迎える場合へのお金の知識を蓄えておきましょう。おひとり様でシニアライフを迎えることが一般的になりつつある昨今、公的な機関に委託できる範囲も広がっています。正しい知識と備えで、シニアライフへの不安を解消していきましょう。

投稿者プロフィール

土屋福美子
土屋福美子
一般社団法人 包括あんしん協会理事
株式会社 WISHLANE 取締役

【資格】
ファイナンシャルプランナー
終活アドバイザー
高齢者住まいアドバイザー
デジタル遺品アドバイザー

お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのあなた人生のスパイスとして一生涯サポートしています。

約5000人の保険コンサルティング実務経験から
「お金、心、身体」のトータルサポートが必然。
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