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おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜遺品の整理について〜

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人生100年時代と言われる近年、転ばぬ先の杖として老後の備えを整えておきたい所です。この終活コラムでは、おひとり様シニアライフで準備しておきたいお金について、シリーズ仕立てで紹介しています。

 

まず始めに、近年の厚生労働省による調査では、国内で58%の世帯、つまり過半数がの世帯が「高齢者のみ」あるいは「高齢者の一人暮らし」で生活を送っている状況が報告されています。このような傾向を知ると、現在は同居人がいる方にとっても、おひとり様で老後を迎える可能性を無視しておけません。

 

終活意識全国調査(NPO法人ら・し・さ調べ)によると、全国の20歳以上の男女3,096名を対象としたアンケートでは、

 

全体の96.4%が終活という言葉を「知っている」と回答
この終活に対しては「人生終末期の準備と回答した人が約7割」

 

このような結果が報告されており、人生のフィナーレを迎えるにあたっての備えとして終活が認知されている現状が見受けられます。終活という多くの方がいずれ対峙するテーマであれば、お金や手続きに掛けられる労力の面からも、早めに備えておきたいものですね。

 

おひとり様シニアライフについて、今回取り上げるテーマは「遺品の整理」について。

・遺品整理について、生前から出来ることは?

・荷物の整理ができないまま死亡した場合、遺品の整理は誰が行うのか?

このような遺品整理に当たって生じる手続きとお金をテーマにご紹介いたします。

 

ちなみに、「おひとり様シニアライフのお金のはなし」について、併せて関連のテーマの記事は、こちらをご覧くださいね。

おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜認知症のばあい〜

おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜病気・怪我のばあい〜

おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜お墓問題について〜

おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜遺品の整理について〜

おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜葬儀について〜

おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜自宅の売却と税金について〜

おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜自宅の処分について〜

おひとり様シニアライフに準備しておきたいお金とは〜価値のありそうな物の売却〜

 

段階ごとの違いを知っておこう

まずはじめに、おひとり様が終活に際して「自分の荷物を整理すること」についても、段階によって求められる対応が異なります。いつ、誰が、どのような状況で荷物(遺品)の整理に当たるのか、段階ごとの特徴を把握しておきましょう。

 

終活に伴う荷物(遺品)の整理には、主に3つのフェーズで分類されます。

①老前整理:所有者が身体の自由が効かなくなる前に整理を行うもの
②生前整理:所有者が生きている間に自分で整理するもの
③遺品整理:遺族または関係者(業者を含む)が行うもの

 

段階に応じて、このように定義されています。

「老前整理」と「生前整理」は同義のものと思えそうですが、厳密に特徴をあげると、それぞれの性質が見えてくるものです。

 

具体的には、

老前整理では、将来の自分への負担を減らすために住空間を片付けること

生前整理では、いよいよ旅立つ前に遺品となる私物や財産を整えておくこと

このようにイメージしていただければ良いかと思います。

 

おひとり様シニアライフを考えるにあたって、

まずは老前整理で、必要な荷物を最小限に抑えること。

 物の管理の負担を減らすことで、身体の自由が効きにくくなってからも過ごしやすい住環境へ。

 

②老前整理を終えてシニアライフに突入したら、遺品となる荷物を整理すること。

 主に、残された方への負担やトラブルを配慮した片付けを始めること。

 

このような段階的な違いをイメージしておくと、準備を進めやすいのではないでしょうか。

 

老前整理・生前整理・遺品整理に必要となる資金

それでは、自宅の処分に当たって必要となる資金について詳しく見ていきましょう。

1)荷物の処分費用 : 業者へ依頼した場合 3〜30万円

 

高齢になってから自分で身の回りの荷物を全て移動するのは心身ともに大きな負担をきたします。

部屋の片付けをきっかけに転倒して救急搬送されるケースも少なくありません。

安全かつスピーディに荷物の処分を行うために、プロのサービスを受けることをお勧めします。

業者へ荷物の処分を依頼した場合は、

・荷物の引き取り費用(処分費、車両運搬費)

・片付けに伴う人件費

・場合によっては出張費

このような予算が発生します。

金額は間取りや作業時間、依頼するスタッフの人数によって大幅に左右しますが、3〜30万円が相場と言われています。

 

但し広い一軒家で物が大量にある場合は、60万円以上の請求が届いたというケースもございます。

・自分自身でできる片付けは予め終えてから、見積もりを依頼すること

・状態が良く市場価値がありそうな物品は、リサイクルショップでの買取を検討すること

・粗大品や処分しにくい物品は、処分を業者へ依頼すること

 

このように、買取業者と処分業者を段階的に使い分けて、老後資金へやりくりしても良いですね。

まずは何を残して、何を手放すのか、元気な間にご自身で取捨選択を行いましょう。

 

2)後見人へ依頼する場合:契約料10万円強 + 月額2〜5万円

ここまでの章では、ご本人が自分で手続きを行うことを前提として自宅の処分についてお伝えして参りました。しかしながら、突然身体が不自由になったり、施設の入居が決まってしまって、自分自身で荷物の整理を行えない場合もございます。また、自分が亡くなった後に残った遺品の処分を託さなくてはならない状況も考慮しておきましょう。

この場合は財産の管理と同様に後見人制度を使って、第三者へ荷物や遺品の整理を行ってもらいます。老前に荷物を最小限へ減らしていても、生きている限りは何らかの私物を持っていることでしょう。最終的に残った荷物の処分については、頼れる親族がいないおひとり様の場合は、後見人へ意思を伝えておけば安心です。

公的な契約を結んで、お金などの資産と同じく取り決めに従って後見人が処分を行います。
後見人との契約を結ぶ費用の内訳を見ると、

・公正証書の作成 平均10万円(+登録料などの実費)
・任意後見人への報酬 月額1~3万円
・専門家への顧問料 月額2~5万円(専門家へ後見人を依頼する場合)

主にこのようなお金が掛かると言われています。
荷物をそれぞれどのように処分して欲しいのか、第三者に意思を証明出来る状態で契約を交わしておくことが望ましいです。

 

住まいのためにも、生前整理を

 

今回のコラムでは、おひとり様シニアライフの遺品整理について、ご紹介してまいりました。
長年の思い出が詰まった荷物の整理には時間もエネルギーも掛かる物です。
しかし、予め「この荷物はこのように処分して欲しい」と意思を伝えておくことで、誰かに譲ったり旅立ちの際に棺へ入れてもらったり希望を叶えてもらえます。

 

また、施設への入居前に荷物の整理がある程度できていれば、引き払う住まいの価値も高められます。荷物を残したままの住まいでは売却できない場合もありますが、荷物を撤去しやすい状態であれば自宅を売って施設での生活費へ充てることもできるのです。

 

「いつか、いつか」と思いながら先延ばしになってしまいがちな、思い出の品々の整理。
例えば「65歳になったら取り組む」や「この部屋の一角に収まる範囲の量へ荷物を減らす」など、年齢や物の量にルールを設けて、段階的に取り組んでみてはいかがでしょうか?

投稿者プロフィール

大和泰子
大和泰子
一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役

【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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