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直葬(火葬式)とは?葬儀の流れや費用を解説

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「直葬」という葬儀の形をご存知ですか?直葬とは通夜や告別式などを行わず、火葬のみを実施する葬儀です。別名「火葬式」と呼ばれることもあり、従来の葬式の形にこだわらない方や、予算を抑えてご遺族の負担を減らしたい方などに注目されています。

この記事では年々増加している、直葬とはどういった葬儀なのか、選ばれている理由や具体的な葬儀の流れをくわしく解説します。

直葬とは?

直葬(ちょくそう)とは、お通夜や告別式などの式典を行わずに、近親者数名のみで火葬だけを行う葬儀の形です。亡くなられた後にご遺体を24時間以上安置したあとに、出棺から火葬までをその日のうちに続けて行う方法です。従来であれば、亡くなった後のご遺体は斎場や自宅で安置して、お通夜を執り行います。

しかし直葬は一時的に葬儀場や自宅に安置して、お通夜は行わずにそのまま火葬場に移動して、火葬とお骨上げを行う葬儀です。ご遺体は死後24時間以内に火葬することは禁止されているため、基本的には亡くなった翌日に火葬を行います。直葬はお通夜や告別式がないため、御僧侶には火葬炉の前でお経を上げてもらいます。また、環境によっては御僧侶を呼ばずに読経そのものを行わずに火葬することもあります。

近年、家族葬などのコンパクトなお葬式が増えている中、同じく増加しているものが、ご遺族や参列者の負担が少ない直葬です。特にご家族がいないおひとり様や、ご高齢で知り合いや親戚が少ない方などは、参列者が少ない理由から直層を希望される方が多くいらっしゃいます。

直葬が選ばれる3つの理由

直葬は年々増加しており、特に東京都などの都心部ほど小規模な直葬を選ぶ方が増えています。
なぜ直葬が選ばれているのか、その特徴と理由をご説明します。

葬儀の費用を抑えられる

直葬はお通夜や告別式を実施しないため、一般的な葬儀費用が120万円前後に対して20~40万円で行えます。もともとご遺族に経済的な負担をかけたくない方や、葬儀に関する費用をおさえてシンプルな形を希望される方に直葬が選ばれています。

また、一般的な葬儀と比べて参列者の数も少ないため、返礼品や接待などの費用もほとんどかかりません。

遺族の精神的・肉体的負担を軽減できる

直葬はご遺族の精神的、肉体的な負担の軽減につながります。葬儀は参列者を招く場合、喪主やご遺族が慰問客へ対応したり、会食の場で接待をしたりと、さまざまな準備が求められます。

ご遺族にとって、大切なご家族を亡くしたばかりの状況で参列者の対応をすることは、肉体的にも精神的にも負担がかかるものです。

そのため、ご遺族の負担を減らすために、火葬のみの直葬を希望するシニアの方が増えているのです。また、参列者への対応自体がないため、葬儀全体に時間があまりかかりません。

ご遺族のお仕事が忙しく、あまり対応に時間を割けないといったご家庭にもおすすめのスタイルです。

感染症対策になる

新型コロナウイルス感染拡大防止のために、直葬を選ぶご家庭が増えています。通常のお通夜や告別式を行う葬儀では、多くの人が1つの会場に出入りして接触するリスクがあります。

一方で直葬はご遺体を安置したあとに、火葬場へ運ぶため、参列者同士が集って密になる心配がありません。移動する場所も少ないため、感染症にかかるリスクを最小限にできるのです。

しかし、直葬はシンプルだからこそ、お別れの時間が短いというデメリットがあります。ご遺体を安置してその後は火葬するため、お通夜や告別式などでゆっくりとお別れを伝えられません。

一般的な葬儀を経験している方にとっては、直葬だとお別れをしたという実感がわかない可能性も考えられます。親戚やご友人などの参列者を招けない点も、周囲からの理解が必要になるため注意しましょう。

直葬の流れ

  1. 一時的にご遺体を安置する(自宅や葬儀社の霊安室など)
  2. 菩提寺に直葬の意思を相談して承諾を得る
  3. 24時間経過後に火葬場へご遺体を運ぶ
  4. 火葬後にお骨上げをする
  5. お墓や納骨堂などに納骨をする

上記のように直葬の流れはシンプルで、およそ2日間の日程で終了します。気を付けたいのは寺院墓地を利用しており、菩提寺がある方であれば早めに直葬の意志を伝える必要がある点です。

直葬の場合は告別式などで読経をしていただかないため、いきなり納骨することになります。菩提寺の理解を得られないと、思わぬトラブルに発展する可能性があります。できればご本人が存命のうちから、菩提寺に直葬の希望を伝えておきましょう。

まとめ

直葬は予算を抑えられる点と、密を防ぐ感染症対策向けの葬儀のスタイルとして、ここ最近希望者が増えています。直葬はメリットもありますが、ご遺族にとってはお別れの時間が短く、後悔が残る可能性も考えられます。

ご遺族のためを思って直葬を選んだとしても、実際はゆっくりとお通夜や告別式がある葬儀を希望されるかもしれません。だからこそ、ご本人だけで判断せず、実際に葬儀を執り行うご家族と相談のうえ、直葬の理解をしっかりと得ましょう。事前に菩提寺にも直葬の意志を伝えておくと安心です。

投稿者プロフィール

大和泰子
大和泰子
一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役

【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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