50代からの終活と題して、シニアライフへの備えに役立つ情報をお届けしている連載ですが、今回は「エンディングノート書いた後」に知っておきたいノートの生かし方について紹介したいと思います。
エンディングノートを書いた後にやっておきたい3つ
1)書いた意思を託したい人へ伝える
せっかく書いたエンディングノートが万が一の時なかなか発見されないようでは役割が発揮されません。書いた時点でエンディングノートそのものを渡すかどうかは別として、まずはエンディングノートを書いたことについて、家族や親しい友人など、意思を託したい人へ伝えておきましょう。
2)年に1回更新する
生きている限り自分を取り巻く環境も、価値観も、変化は付き物です。また身体の具合によって介護や財産管理の希望も変わってくることでしょう。
その時々の状況と価値観に沿った内容へエンディングノートは最低でも年に1回程度、内容の更新を行いましょう。
お正月にエンディングノートを見直す
自身の誕生日に内容を更新する
といった風に、目安となるエンディングノートの書き換え日を設けておくと良いでしょう。見直しをすることで気持ちの整理ができて、残りの人生をどのように生かしたいか、明日からの日々をより充実させられる良い機会にもなることでしょう。
また、健康状態や資産状況に変化があったときも速やかに内容を更新しておくことが後からのトラブル回避にも繋がるエンディングノートの生かし方です。
遺言書と違って法的効力を持たないエンディングノートですが、その点書き換えについてもルールがありません。気づいた時にまずはエンディングノートを更新して、その次に改まったタイミングで遺言書の内容を必要に応じて更新するような段取りで使い分けてくださいね。
3)安全な場所へ保管する
エンディングノートには特に資産を中心とした重要な情報を記す場合がほとんどでしょう。プライバシーな情報が書かれていて、意図せず第三者の手に渡った場合、トラブルの原因になることは言うまでもありませんね。
間違っても玄関先など他人の目に触れるリスクがある場所へ保管することは避けましょう。だからといって銀行の貸金庫など、遺言書ほど厳重な場所に保管してしまっては更新しづらく、エンディングノートとしての効果が発揮されにくいデメリットも。
とくに貸金庫の場合、契約者がなくなると相続人全員の合意がないと開けられないルールのため、開錠の手続きに時間がかかってしまい、葬儀や親しい人への連絡など肝心な死後すぐに伝えたい伝達事項が託せない可能性が生じてしまうのです。
エンディングノートは自宅の安全な場所に保管するか、あるいはパスワードをつけられるデジタルデータで残す方法も視野に入れてみてください。
残りの人生を輝かせるためにも、定期的な見直しを
「死後の事柄のみ」と記せる内容が定まっている遺言書と違って、エンディングノートには書くべき内容の規定はありません。よって、エンディングノートには生前の事柄についても自由に書いて、更新し続けることができるのです。
死後に託したい想いに限らず、「60代のうちに叶えたいことリスト」や「行きたい場所」を書き込んで、エンディングノートを通じて未来の自分との約束を作っても良いのです。
生きている限り環境や価値観は変化するもので、エンディングノートも一度きり書いたら終わりのアイテムではありません。だからこそ、定期的にエンディングノートを更新する時間を通じて自身の人生について考え、残りの日々をどんな風に充実させて生きるのか、内省する機会として活用していきましょう。
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会理事
株式会社 WISHLANE 取締役
【資格】
ファイナンシャルプランナー
終活アドバイザー
高齢者住まいアドバイザー
デジタル遺品アドバイザー
お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのあなた人生のスパイスとして一生涯サポートしています。
約5000人の保険コンサルティング実務経験から
「お金、心、身体」のトータルサポートが必然。
あなたの心からの笑顔と実現力を引き出すライフナビゲーター。
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