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“まだ解約したくない” アプリの契約の終活

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 50代からの終活と題して、シニアライフへの備えに役立つ情報をお届けしているコラム。
モノや不動産に関する生前整理のほか、「デジタル関連の終活」についても今までの連載で紹介してきました。
併せて下記の記事もご覧くださいね。

★関連する過去の記事
『そもそもデジタル終活ってなに?』

https://anshins.or.jp/?p=1818

『SNSアカウントの終活』
https://anshins.or.jp/?p=1826 

そして、過去のコラムでもご紹介している通り、登録していたアプリの有料サービスも『デジタル遺品』に該当します。定額制の有料アプリは利用停止の手続きを行わない限り自動更新制で費用が発生する場合がありますが、現在進行形で使っているから『今まで通り生活しているうちには、まだ解約したくないアプリ』はどのように終活することが望ましいか考えていきましょう!


アプリ利用料3つの支払い方法


もはや生活に欠かせない存在となっている、スマホのアプリ。「無料」や「初回購入費のみ」で使用することができるアプリがある一方で、近ごろは月額料金を払うことで使い続けられるサブスクリプションのアプリサービスも拡充されています。


そして、アプリの使用料金は、スマホ本体の通信料金とは別途で必要となるものです。スマホの利用料金と合算して支払う「キャリア決済」のほかに、「クレジットカード引き落とし」「プリペイドカードからの支払い」と、アプリ使用料の支払い方法は3つの種類に分かれています。


サブスクリプションのアプリは、原則として契約期間が自動更新されるため、うっかり契約解除を忘れていて「使っていないのに、使用料だけ引き落とされていた〜!」という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。


では、今まで通り生活している限り使い続けたいスマホのアプリについて、判断能力が衰えて自身での解約が困難になったり、死去した場合サブスクリプション契約されているアプリの契約はどうなるのか、確認していきましょう。


スマホを解約するだけでは、アプリ契約は解除されません!


遺族が携帯電話の契約を解除した際に、アプリの契約も停止できるはず」とお考えの方は注意が必要です。定期的に引き落としが発生する有料スマホアプリの場合、スマホ本体の利用契約を解除したとしても、アプリにログインして解約しない限りは、契約が継続され、利用料の引き落としは続く仕組みとなっているのです。


そして、ご存知の通りアプリの使用料は月額100円〜数千円程度と金額が比較的少ない場合が多いため、銀行口座から気づかないうちに引き落としが続いているというトラブルが発生する盲点になりやすいのです。


アプリの契約、死後の請求はどうなる?


前述の通り、スマホアプリの契約は遺された方が解約しない限り”契約は継続されること”となっています。例えば実物が届くような、紙の新聞や雑誌の定期購読とは違って、スマホのアプリは、引き落とし状況を確認しない限り、契約の存在そのものに遺族が気がつかないケースも少なくありません。


利用者が死去したあと、アプリ使用料の支払いに利用していたクレジットカードを速やかに停止するなど対応できた場合は心配ありませんが、存在を見落としていたクレジットカードから引き通しが続いていて、銀行口座の残高が不足した頃に「口座から引き通しができません」と通知が届いて、ようやくスマホやアプリ利用が判明することがあるのです。



【まとめ】アプリ契約の終活


死後に契約が残る可能性があるからといって、全てのアプリを生前に解約する必要はありません。生活のなかで機能している限り、便利なサービスは使い続けたいものですね。だからこそ、終活の視点からも安心して使い続けるために「遺族がいつでも解約できる状況」を整えておきましょう。


アプリ契約の賢い終活3つのステップ

1)使っているアプリに絞る、契約の棚卸し

  まずスマホに入っているアプリを「使用しているもの」だけに選別しましょう。終活のみならず、現在の生活を整えるためにも有意義な機会です。

2)ログイン情報の見える化 
  もしもの時、遺族がスムーズに契約を解約するために、各アプリサービスのログイン情報を見える化しましょう。この内容は終活ノート(アナログ、デジタルどちらでも可)に一覧で記しておくと良いでしょう。

3)引き落とし口座の一元化  
  利用料の引き落とし口座が複数に分かれて煩雑になっている場合は「スマホやアプリ関係の引き落とし元はこの口座」と分かるように、口座を一つにまとめておくと管理が明瞭です。この引き落とし口座には「サブスク関連の利用料”一年分のみ”を入金しておく」など、残高をある程度の金額に抑えておくと、残高不足で引き落としができなかった場合の通知が早めに届くため、遺族が速やかに契約の存在を認知でき、さらに安心な対策となるでしょう。


使っていない不要なアプリ契約は解除した上で、スマホアプリの終活に取り組んでみるきっかけとなれば幸いです。


投稿者プロフィール

土屋福美子
土屋福美子
一般社団法人 包括あんしん協会理事
株式会社 WISHLANE 取締役

【資格】
ファイナンシャルプランナー
終活アドバイザー
高齢者住まいアドバイザー
デジタル遺品アドバイザー

お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのあなた人生のスパイスとして一生涯サポートしています。

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