50代からの終活と題して、シニアライフへの備えに役立つ情報をお届けしている連載ですが、今回は「SNSアカウントの終活」に関する話題をお伝えしたいと思います。
これまでのコラムで数回に分けて「デジタル終活」をテーマにご紹介してきましたが、今回はデジタルデータのうち「SNSアカウント」に特化した話題をお届けします。
自分の死後、SNSはどうなる?
WEB上のサービスのなかでは、免許証やマイナンバーカードよりも自分を証明するような存在として働く場合もあるSNSのアカウント。顔写真や経歴、交友関係が詰まっていて、時にWEB上のサービスに関するログイン情報としても機能しているSNSアカウントは、インターネット上に残しているもっともプライバシーに関わる情報といっても過言ではありませんよね。
今や日本のSNS利用者数は7500万人以上と言われており、日本でインターネットに触れる人々の約8割は何らかのSNSを利用されていると試算されています。
そのため前述のとおりSNSのアカウントがその人を証明する身分証のような役割となっていて、場合によっては不正ログインやアカウントの乗っ取りによって、悪用される事例も発生していることはご存知のとおりです。
自分の死後、SNSのアカウントが勝手に悪用される事態を防ぐためにも、SNSにおいても終活に取り組んでおくことが望ましいですね。
死後の意思を保存すること
ここからは、各種SNSのうち、シニア世代にも親しまれているFacebookを例にご紹介します。Facebookの場合は、亡くなった利用者のページを保護する「追悼アカウント」といった機能を装備しています。故人の家族や友人が所定のページからリクエストを送り、本物と認められた場合は、生前のアカウントは追悼アカウントとして切り替えが行われるのです。
さらに、本人が生前に「追悼アカウント管理人」を指定しておけば、生前に公開していた投稿の管理を託すことも可能です。ただしダイレクトメッセージは管理人に見られることはありません。
アカウント自体を抹消したいばあい
自分の死後、アカウントそのものを抹消したい場合は追悼アカウント管理人を指定のうえ、「死後のアカウントを削除」と意思をSNSの設定画面に残しておきましょう。あなたが亡くなったと報告があった後、すべてのメッセージや写真、投稿、コメント、リアクション等の情報がすべてFacebookから削除されることになります。
身近な人と相談して、SNS終活を
ただし、FacebookをはじめとしたSNSが交流の場となっていたコミュニティにおいて、繋がっていた方が亡くなった場合は「追悼アカウントが故人を偲ぶ癒やしの場になる」といった場合もございます。SNSを使って、生前の御礼を伝えるご家族もあることでしょう。
自分の死後、
◎SNSアカウントが悪用される被害に備えること
◎すぐにアカウントを抹消するか否か
◎追悼アカウントとして残りて、生前の御礼などメッセージを投稿してもらいたいか
といった風に、生前の人間関係の延長線上にあるSNSのアカウントについても、家族や身近な方とあらかじめ相談の上、終活を行っておきたいものですね。
自分が利用しているSNSを記しておくこと
今回はFacebookを例にご紹介しましたが、利用者の多い主だったSNSには同様に「追悼サービス」が備えられていることが一般的です。よって、ご自身が利用しているSNSの種類を身近な方へ伝えておけば、死後速やかに手続きを進めてもらうことができるでしょう。
まずは自身が利用しているSNSを把握して、エンディングノートに書き残しておくなど、いざという時に手続きを進めてもらいやすい備えを作っておきたいものですね。
投稿者プロフィール

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一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役
【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー
家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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