老後の資金計画を考えるにあたって欠かせない、介護にまつわるお金の話。前回のコラムでは「要支援・要介護認定のステージと認定基準」に関する情報をお届けしました。公的な介護保険サービスを受けるにあたっては要介護認定が影響して、公的資金でサービスを受けられる制度となっています。しかしながら、全額が公的資金で補助されるわけではなく、状況に応じて自己負担割合や支給限度額が定められています。
今回のコラムでは、介護保険サービスの自己負担額や支給限度額について解説いたします。
介護保険サービスの自己負担額
1)世帯構成
2)介護サービスを受ける本人の合計所得金額
3)年金収入とその他の合計所得金額
上記3つの条件によって、介護保険を利用する場合の自己負担割合が決められます。
詳しい条件は下記の表に示していますので、御覧ください。
図.1 介護保険サービスの自己負担額について(令和3年時点)
さて、こちらの表をご覧になって、ご自身がどの条件に該当する可能性が高いかお分かりですか?実際のところ、基礎控除等の各種条件を差し引いた後の合計所得金額について、正しく算出するのは簡単ではありません。将来の世帯構成や収入に応じてどの程度の自己負担が必要となるか予め知っておきたい方は、ファイナンシャルプランナー等、お金のプロへ相談されることをオススメします。
介護保険サービスの支給限度額
前回のコラムでは、心身の状態に応じて支援や介護の段階への認定が行われる概要についてお伝えしました。これらの要支援・要介護認定を受けた方が介護保険サービスを利用する場合、公的に支給される限度基準額は下記の通りです。
図.2 介護保険サービスの支給限度額(令和3年時点)
この限度額を超過しても、より充実したサービスを受けたいと考える場合、超過分は自己負担になるとお考えください。
シニアライフの資金計画のために
繰り返しますが、介護保険の自己負担額は所得や世帯人数、要支援・要介護の認定等級等によっても異なります。介護度が重くなることによって介護に関する負担額も増えていきますので、予め情報を集めておくことが、将来の資金計画にとっての安心材料となるのではないでしょうか。
介護に関する情報収集や手続きについては、地域の包括支援センターや自治体へ相談しましょう。資金計画については、介護度が重い場合の費用を想定して必要金額を準備しておきましょう。最近は介護費用を準備する保険もあります。貯蓄で準備した方がいいのか、保険を活用した方がいいのかは、環境や状況によって違いますので、ファイナンシャルプランナーに相談しておくことで、「いざという時に予想外の支出が発生して困った」「一人で手続きしようとして混乱した」といった事態を回避できることが何よりですね。
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会理事
株式会社 WISHLANE 取締役
【資格】
ファイナンシャルプランナー
終活アドバイザー
高齢者住まいアドバイザー
デジタル遺品アドバイザー
お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのあなた人生のスパイスとして一生涯サポートしています。
約5000人の保険コンサルティング実務経験から
「お金、心、身体」のトータルサポートが必然。
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