昔のフィルムカメラや使い捨てカメラで撮影した写真は、時間が経つごとに劣化してしまいます。
残念ながらやがて色褪せてきたり変形したりと、ずっと現像したばかりのようなきれいな写真の状態は保てません。そんな中、アナログ写真をデジタル化する写真整理が注目されています。この記事では終活の1つとして、思い出が詰まった写真をいつまでも美しく残すためのデジタル化の方法をご紹介します。
アナログ写真には寿命がある
紙に現像した写真やフィルムは、空気や日光に触れるとインクが変色したりフィルム自体が変形したりします。特にフィルムはいったん日光に触れると現像しても、撮影した写真をきれいに現像できません。
写真の寿命は印刷方法によって多少異なりますが、平均20年前後と言われています。つまり、子供たちの学生時代の写真を思い出としてずっと残そうと思っても、やがて変色が進んでしまい本来のきれいな状態で見ることができません。
旅行や結婚式など、人生の節目の思い出の写真はいつまでもきれいに残しておきたいものです。また、終活においてたくさんの写真を分別して管理するだけでも、時間や体力が必要な作業です。
アナログのままだと収納スペースも圧迫するため、デジタル化することは終活で私物を減らす身辺整理にもつながるのです。
アルバムをデジタル化して思い出を鮮明に残そう
アルバムをデジタル化することは、さまざまな魅力とメリットがあります。
遺族の遺品整理の負担軽減
アルバム写真が大量に残っていることで、ご遺族が遺品整理で苦労したという例があります。写真をデジタル化しておけば保管場所もいらず、イベントごとや映っている人ごとに分けることも簡単です。
特に分厚いアルバムは整理する負担もかかるうえ、むやみに処分することも抵抗を感じる方が多いです。あらかじめ終活として写真を整理して、不要なものを処分しておくことは残されるご家族の負担を減らす思いやりの一つになるのです。
思い出の写真を周りに共有できる
写真をデジタル化すると、遠方の親戚やご友人にも気軽に写真を共有できます。健康なうちに渡したい写真があっても、一人ひとりに写真を分別して焼き増しすることは時間と手間がかかります。
データ化しておけばデータをオンライン上で共有できるうえ、写真が劣化する心配もありません。お世話になった方々や写真を渡したい方へ、いつでも好きなタイミングでデータを届けられます。
ご自身が亡くなった後もご遺族がスマートフォンやパソコンから、気軽に思い出の写真を振り返られるところもデータ化の魅力です。
アルバムをデジタル化する3つの方法
アルバムをデジタル化する方法は、自分自身でデータを作る方法と、専門業者に依頼する2つのパターンがあります。
デジタル化の方法と、それぞれのメリットデメリットをご紹介します。
スマートフォンやデジカメで撮影する
もっとも手軽な写真のデジタル化は、スマートフォンやデジカメで直接撮影する方法です。自分のペースで少しずつデジタル化を進められるうえ、費用がほとんどかかりません。
その代わりに大量のアルバム写真をすべてデータ化するまでに時間がかかります。短時間でまとめて写真をデジタル化したい場合は、ほかの方法がおすすめです。
また、直接スマートフォンなどで撮影する際は、光の反射具合によってはきれいに撮影できない可能性があります。とにかく今ある写真を手軽にデータとして手元に残したい方におすすめの方法です。
写真をスキャナーで取り込む
アナログ写真をスキャナーで取り込んでデジタル化する方法です。自宅にスキャナーがあれば、簡単にパソコンにデータを保存できます。
また、スキャナーを使うと直にスマートフォンで撮影するよりも、光の反射や影などが入り込みづらく、きれいにデータ化できます。
写真デジタル化の専門業者に依頼する
専門業者に依頼する方法も人気があります。やり方はデジタル化してほしい写真をまとめて業者に発送して、データを送ってもらうのを待つだけ。
自分でデジタル化する方法との違いは、多少色褪せたり変形したりした写真もきれいに修復してデータにしてもらえる点です。また、まとめて依頼すれば自分で撮影する時間がかからないため、時間と体力の節約になります。
希望すればDVDなどに保存して届けてもらえるので、親戚や友人に配りたい方にもおすすめです。懐かしい写真も家族が集ったときに、テレビの大画面で鑑賞するといった楽しみ方ができます。
葬儀の際に過去に撮影した写真を上映するなどの演出にも使用できるため、終活の1つとしてぜひ早めに写真整理をはじめてみてはいかがでしょうか。
まとめ
写真をデジタル化しておくと、アナログ写真の変色や変形の心配がなく、いつまでもきれいな状態で保存できます。写真を整理することは、過去の思い出を振り返ると同時に、今後やってみたいことや会いたい人などを思い出すきっかけになります。
大量のアルバムもデジタル化して、すっきりと身の回りを整えましょう。
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役
【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー
家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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