ペットは家族の一員であり、とても大切な存在です。そんな犬や猫などのペットのほとんどは、飼い主よりも先に年をとってしまい、いずれ病気のケアや介護が必要になります。
また、飼い主がシニアの方であればペットが残される可能性も考えられるのです。ペットの環境の変化が起きたときに、生活を保証して適切なケアを受けられるために残すものがエンディングノートです。ペット用のノートを残した方が良い理由と、記録したい項目をご紹介します。
ペットのエンディングノートとは?
エンディングノートとは、人生のエンディングで希望する葬儀の方式やお墓のことや、連絡先といった情報をまとめておくためのノートです。終活の一環としてご遺族にご自身の死後に実行してほしい願いを伝えるためのノートとして、生前のうちに作成する方が増えています。
エンディングノートの中には、ペットと一緒のお墓に入りたいなどの希望を書く方がいます。ペット用のエンディングノートとは、さらにくわしくペット自身の情報や飼い主の希望を記しておくためのノートです。
たとえば飼い主にもしものことがあった際、別の飼い主に引き継ぐときに知ってほしい情報などを記載します。また、ペットの最期の時に葬儀や遺骨をどうするかなどの情報も記載することで、飼い主自身が対応できないときにほかの方へスムーズに任せられます。
ペットのエンディングノートを作るべき3つの理由
ペットのエンディングノートを作っておくことは、ペットが元気なうちからさまざまなメリットがあります。
ペットの病気やケガに備えられる
ペット専用のエンディングノートは、ペットの持病やかかりつけの獣医師、加入保険などの情報を記載しておきましょう。
すると、飼い主が出張中でペットの近くにいないときや、お世話を引き継いだ相手がいる際に、どうやってケアすればいいのか正しく伝えられます。
次の飼い主がスムーズにお世話できる
ペットのエンディングノートはペットが亡くなった際だけでなく、ペットよりも先に飼い主が亡くなった場合に役立てられます。次の飼い主に引き取ってもらう際に、スムーズにお世話をしてもらえるように、ペットの好きな食べ物から気を付けてほしいことなど、お世話に関する情報をまとめておきましょう。
もともと飼い主には、ペットを最後まで責任持ってお世話する「終生飼養(しゅうせいしよう)」という義務があります。これは飼い主が先に亡くなった際も、ペットが安心して暮らせる場所や環境を用意しておくことも含まれるのです。
エンディングノートを作ると同時に、万が一の際にペットの引き取り先や預け先を決めることも、ペットの安全と幸せな生活のために欠かせません。
ペットとの思い出の記録になる
ペットのエンディングノートは、アルバム写真のように大切な思い出の記録になります。ペットが好きなおもちゃや食べ物、病歴や過去のケガ、心配したことなど、家族として迎えた日からこれまでの思い出を形として記録できます。
映像や写真でペットとの思い出を気軽に保存できる時代ですが、文章で残すノートだからこそ写真とは違った思い出の形になります。将来ペットが天寿を全うした際も、ずっとペットとの思い出を手元に残しておけるノートになります。
ペットのエンディングノートに記す項目
ペットのエンディングノートに残す項目は、大きく分けて食事、医療情報、生活習慣と、飼い主にもしもの事態が起きた際の引継ぎ情報の4点です。
それぞれ、ノートに書いておきたい項目をまとめましたので、ノート作りの参考にしてはいかがでしょうか?
食事
- いつも食べているフード(銘柄)
- 食事の作り方
- 1日の食事回数と食事量
- 与えていいおやつ
- 与えてはいけない食べ物(アレルギーや体質・そのペットにとって危険な食材)
飼い主にもしものことが起きた際、一時的に引き取る方が必ずしもそのペットを飼育した経験があるとは限りません。そのため、ペットが食べているフードだけでなく、与えていけない食べ物もしっかり明記しましょう。
医療
- 持病・治療中の病気
- 投薬中の薬
- アレルギーの有無
- 予防接種
- かかりつけの動物病院の情報
- ペット医療保険の証書を保管している場所
医療関係の情報は、ペットの病気のことや予防接種の必要の有無などを書いておきましょう。また、かかりつけの動物病院は、住所や電話番号のほかに診察券を保管している場所も記録しておくと安心です。
ペット保険に加入している場合は、加入先と証書の保管場所もエンディングノートに記載しましょう。
生活習慣
- トイレ
- 散歩の時間・回数
- 入浴のペース
- トリミング
- 好きな遊びや過ごし方
- 苦手なものや遊び
ペットによって好きな遊びやトイレの回数、散歩の時間なども違いがあります。たとえば犬であれば、散歩しているときでなければトイレをしない子もいます。
反対に猫は特定の猫砂でなければトイレを我慢するといった、個性や気を付けたい特徴があります。ペットの健康に関わる大切な情報のため、忘れずに記録しておきましょう。
飼い主にもしものことが起きた際
- ペットのお世話を頼みたい方の名前や住所
- 飼育資金の金額
- 資金がある口座や預け先
- ペットが亡くなったときの埋葬の希望
飼い主が亡くなったり、病気でお世話ができなくなったりした際の預け先を記録しましょう。ペットを飼育してもらう方にわたす飼育資金の金額や、預けている場所なども書いておくと、手続きがスムーズです。
ペットの命に関わる重要な項目のため、しっかりわかりやすくまとめておきましょう。
まとめ
ペットのエンディングノートは、ペットにまつわる情報を詳しくまとめたノートです。ペットが先に寿命を迎えた際も、飼い主がもしもの時に預かり先の方へ伝える情報をまとめておけば安心です。
ご自身のエンディングノートだけでなく、ペットのためのノートも元気なうちに書いておきましょう。
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会理事
株式会社 WISHLANE 取締役
【資格】
ファイナンシャルプランナー
終活アドバイザー
高齢者住まいアドバイザー
デジタル遺品アドバイザー
お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのあなた人生のスパイスとして一生涯サポートしています。
約5000人の保険コンサルティング実務経験から
「お金、心、身体」のトータルサポートが必然。
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