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「見守り契約」で任意後見をスムーズにしよう!任意後見との違いや契約内容を解説

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将来認知症などが原因で判断能力が低下した際に、ご自身の財産管理などを任せる任意後見制度があります。しかし、任意後見制度は判断能力が低下したと認められたあとに、効力を発揮する契約です。

今はまだ健康だけれど、体力が落ちてきたので健康状態を確認してもらいたい、万が一の急病に備えて定期的に見守りにきてほしいと考えるシニアの方もいます。そこで注目されているのが、任意後見制度の前からサポートを受けられる見守り契約です。

この記事では任意後見制度の活用例として判断能力が衰える前から利用できる、見守り契約の特徴について解説します。

任意後見の「見守り契約」とは?

任意後見制度は、ご本人がご家族や親族などを後見人に選び、認知症などで判断能力が低下した際に、財産管理などを任せる制度です。健康なうちに契約の締結はしますが、判断能力が落ちたと判断されなければ契約の効力は発生しません。

また、判断能力が低下していても、即効力が発揮されるのではなく、家庭裁判所への申し立てが必要です。申し立てによって、任意後見監督人を決めてから、後見業務を行うため、ある程度の期間がかかるのです。

つまり、正式な手続きを踏まなければ、任意後見人になる予定の方が近くにいても、承認されるまで代理権はありません。

見守り契約は任意後見制度とは別に、健康なうちからサポートを受けられます。見守り契約と任意後見契約をセットで利用すれば、任意後見契約だけではカバーしきれない初期のサポートも可能になるのです。

ちなみにお金に関する管理は財産管理契約、死後に関する手続きは死後事務委任契約を締結します。これら3点を追加した任意後見契約のセットで、体力の低下が気になる頃から死後までトータルでケアできるのです。

見守り契約の主な内容

見守り契約の主な内容は、次の通りです。

定期的に自宅まで訪問してもらう

見守り契約はご本人がひとり暮らしをしている状況や、老夫婦のみでの生活の場合、定期的に自宅まで訪問してもらえることも依頼できます。たとえ前日まで健康でも、突然病気に襲われてしまったり、ケガをしたりするリスクはあります。

特におひとりさまの場合は、突然の病気で倒れてしまっても、同居人がいないことで亡くなってしまう孤独死のリスクがあります。定期的な訪問によって、健康的に暮らせているか、不安なことや悩み事がないか、後見人が相談に乗れます。

定期的に電話で連絡をとる

自宅訪問以外にも、定期的に電話連絡で近況確認を行うことも可能です。たとえば自宅までの訪問は1~2か月に1回、電話確認は週1回といったペースにするなど、当事者同士で自由に決められます。

何より、定期的な面会や電話での状況確認や安否確認を依頼することで、自分では気づかない認知症の進行など気づいてもらえる可能性は高くなります。

見守り契約の時点で、将来の後見人として問題なく任せられそうか、じっくりと見極められます。また、後見人自体も後見人業務を請け負えそうか、テスト期間として検討できる場にもなるのです。

必要な時期に任意後見監督人選任申し立てを進めてもらう

任意後見契約はご自身で判断能力の低下に気づき、家庭裁判所に申し立てを行えれば理想的ですが、認知症が進行するとご自身では無自覚のまま過ごされる方もいます。

そこで、定期的に自宅に訪問してもらい、健康状態のチェックや、コミュニケーションをとって任意後見を開始するタイミングを任せられます。

見守り契約ではできないこと

見守り契約は当事者同士で自由に内容を決められますが、できないこともあります。

身の回りの世話

見守り契約はあくまで、訪問や電話などで様子をチェックするまでで、基本的に身の回りの世話を請け負う義務がありません。たとえば定期的に食材の買い出しに行く、病院に連れていくといった内容は、基本的に含まれていません。

あくまでも見守ることが目的で、生活に干渉することは契約に入っていないため注意しましょう。

財産管理

代行として財産を管理するといったことも見守り契約の対象外です。財産管理を任せるには、別途で財産管理契約を結ぶ必要があります。

これによりはじめて、預貯金の取引や通帳、不動産などの財産の管理を任せられるのです。そのため、財産管理契約と見守り契約はセットで結ばれるケースも珍しくありません。

亡くなったあとの手続き

任意後見制度が適用となるのは、判断能力が落ちたと認められ、亡くなるまでの間です。亡くなった時点で任意後見契約は契約期間外となるため、その後の葬儀の手続きやお墓のことなどは後見人のサポート外です。

死後は後見人の代理権が消滅してしまうため、ご遺体の引き取りから葬儀、さらに医療費の精算まで、諸々の手続きを請け負ってもらうには、死後事務委任契約を結びましょう。

まとめ

終活と言えば、ご本人が亡くなってからのことに焦点を当てる方が少なくありません。しかし、死後だけでなく、認知症によって判断能力が低下したり、持病があって日常生活に不安があったりする場合に、サポートを受けられる契約はさまざまあります。

その中でも見守り契約は、電話や訪問で健康チェックをしてもらえるため、任意後見制度と一緒に早めに手続きをしてみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

大和泰子
大和泰子
一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役

【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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