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50代から始める健康習慣 低温やけどに注意! シニアほどリスクが高まる理由

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体を温めるための便利なアイテムとして、寒い時期に重宝される使い捨てカイロ。簡単でコストも安く体温を保つことができるため、冬の外出時に活用される方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そして、使い捨てカイロは誤った使い方をすることで、低温やけどを負うリスクがあることもご存知なことでしょう。

しかし「いつも通り使っていれば大丈夫」と、低温やけどのリスクは軽視される傾向があることも事実。今回のコラムでは、カイロによる低温やけどの危険性と、特にシニア世代が注意すべき理由について詳しく解説します。シニアの方々とそのケアを担当する家族や介護者が、安全にカイロを活用するための知識を身につけることが大切です!

 

そもそも、低温やけどとは

カイロによる低温やけどは、カイロが発する熱を皮膚に直接当てることで引き起こされます。そして、症状としては皮膚の白色化、かゆみや痛み、腫れ、水ぶくれ、皮膚の壊死などが低温やけどの代表例で、程度に応じて軽度から重度まで様々な段階があります。

 

加齢による痛覚の鈍化と「低温やけど」のリスク増加

カイロによる低温やけどの初期症状はかゆみや痛みといった不快な感覚として現れますが、一般的な傾向として、高齢者の方々はこれらの感覚に反応しづらくなると言われています。年齢を重ねた方ほど、この低温やけどの初期症状に気が付きにくく、悪化して初めて自覚するため重症化しやすい懸念があるのです。

加えて、加齢と共に皮膚が若干、薄く弱くなっていくことも、高齢者が低温やけどのリスクが若年層と比較して高いと言われる要因の一つでもあります。

したがって、年配の方をケアする立場にある方は、「痛覚が鈍化して、低温やけどに気が付きにくい恐れがある」という懸念を覚えておき、低温やけどを起こしていないかこまめに確認しつつ、カイロなどの暖房アイテムを使うことが大切です。

 

低温やけどの体験談

高温のものに触れて起こるやけどと違って、気がつかないうちに時間をかけて火傷に至ることが怖い低温やけど。続いて、独立行政法人国民生活センターが紹介している、低温やけどの体験談(事例)の一部をご紹介します。

ケース①
こたつで就寝し朝起きると、足の指から出血しており、やけどに気づいた。左足の親指と人差し指を切断し、中指は皮膚移植を行うほどの重症だった。(70歳代 男性)

ケース②
腰にカイロを貼り、電気毛布のスイッチを付けたまま就寝した。翌朝カイロをはがすと「痛がゆさ」があったので、皮膚科を受診したところ、皮がむけており皮膚の深い部分までやけどをしていると言われた。(70歳代 女性)

「熱いと感じない快適な温度でも、長時間接することで深い火傷を生じること」が低温やけどの恐ろしい点とご理解いただけたでしょうか。

 

長時間、同じ部位を熱に触れさせない予防を

低温やけどは、長時間にわたって暖房器具などの熱に直接触れることによって引き起こされます

さらに、高齢の方や糖尿病を患っている方は、皮膚の感覚が鈍くなる傾向があるため、低温やけどを起こす可能性が高まります。

暖房機器や器具を操作する際には、使用方法に細心の注意を払い、長時間連続で使用しないようにしましょう。特に、寝る間中に暖房をつけたままにしないように気をつけることが重要です。

手軽に使える便利な暖房アイテムですが、”今までも大丈夫だったから、ちょっとくらいルール違反で使っても大丈夫”はNG。本人と共に高齢の方をケアする立場にある方も、暖房器具を使う際には、皮膚の状態を定期的にチェックし、異常があれば早めに医師に相談する原則を、今一度頭の片隅に留めておいてくださいね。

投稿者プロフィール

土屋福美子
土屋福美子
一般社団法人 包括あんしん協会理事
株式会社 WISHLANE 取締役

【資格】
ファイナンシャルプランナー
終活アドバイザー
高齢者住まいアドバイザー
デジタル遺品アドバイザー

お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのあなた人生のスパイスとして一生涯サポートしています。

約5000人の保険コンサルティング実務経験から
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