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デジタル時代の終活は 『仕分け』の整理術を!

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すぐに消去できないけど流出厳禁なデータの扱いは?

 50代からの終活と題して、シニアライフへの備えに役立つ情報をお届けしているコラム。終活の一環で「デジタル終活」の話題も、今まで度々お届けしてきました。

「そもそも、デジタル終活ってどんなことをするの?」という方は、過去のコラムをご参照くださいね。

★関連する過去の記事
『そもそもデジタル終活ってなに?』
https://anshins.or.jp/?p=1818
『SNSアカウントの終活』
https://anshins.or.jp/?p=1826

 

 

デジタル終活のなかでも今回は「今すぐに消去するわけにはいかないけれど、死後に不本意な形で流出してしまうと困る」といったデジタルデータの取り扱いについて、話題に取り上げたいと思います。

 

他の人に見られたくないデータはどう扱おう

秘密を守る秘訣は「仕分け」

結論からお伝えすると、もっとも大切なポイントは「適切に仕分けを行うこと」です。親しい仲といっても、家族や友人にも見られたくない秘密があるのは不思議なことではありません。自分の死後、遺族や死後の整理を依頼している人に見られたくないデータは「秘密にしておきたいデータの保存場所」を決めて、仕分けておきましょう。

なぜ仕分けがポイントになるかと言うと、残された人に「残しておきたい情報」と「隠しておきたい情報」が混在していると、不本意な形で家族の目に触れる確率を高める結果に至るからです。

 

データは暗号化して保存しておくことがベスト

 

デジタルデータの仕分けの基本は、フォルダ分け。家族など残された人に引き継ぎたいデータが入ったフォルダと、隠しておきたいデータが入ったフォルダを作って、相応しい箱のなかにまずはデータを分類していきましょう。

そして、隠しておきたいデータは「暗号化して保管しておくこと」が、流出対策の基本です。デジタルデータのファイル暗号化とは、その名前のとおり「データ形式のファイルを暗号化して、第三者が閲覧できないように施すセキュリティ対策」の一つです。例えば行政や企業が扱う個人情報等の機密情報は、原則としてこのようなファイル暗号化を施し保護した上で管理されています。

反対に言えば、暗号化されていないファイルは、保存先にアクセスすれば誰でも閲覧できる状態であり、万が一にも第三者が情報にアクセスすれば、データの改ざんや悪用の危険に晒されてしまうということです。

もしも誰かがファイルにアクセスしたとしても、暗号化しておくことで画像や文書などのデータを閲覧することが不可能な状態で保持しておけば、自分が死去した後も人目に秘密を晒してしまう事態は回避できます。

無料アプリでも、ファイルの暗号化は可能

ファイルを暗号化するアプリサービスは無料のものを含めて、複数提供されています。秘密にしておきたいデータ、仕事で扱うからこそ流出厳禁なデータには、アプリを使って暗号化を行い、開く場合のパスワードを設定することで、ログイン情報を知っている管理者だけが閲覧できる状況を整えることが可能です。

個人で使う程度であれば、無料のサービスでも十分でしょう。例えば無料サービスの「アタッシュケース」のように、無料で支えてITスキルが格段に高くない人でも扱いやすいサービスを調べて使ってみることをお勧めします。

 

スマホをかざしてログインするハードディスクも


人には見られたくないけど、自分は度々見るから、アクセスしやすい状態で持っておきたいデータ」は、データ暗号化サービスのアプリによっては、逐一解除する手間が厄介というネガティブな側面を持っている場合もございます。

「隠したいけど、すぐにアクセスしたい」といったニーズを満たすためには、特殊な機能が付いた外付けハードディスクを活用するのも方法の一つです。スマホやSuicaなど、指定した端末、カードをかざすことで便利に暗号を解除してくれるようなハードディスクが販売されています。このような外付けハードディスクは、自分だけが鍵の存在を知っている倉庫のようなもの。自分だけが存在を把握しておくこともできれば、「もしもの時は、これで解除して」と仕事の引き継ぎ相手など、信頼できる人に鍵の存在を知らせておくことで、秘匿性を保持しながら機密情報の引き継ぎを行う助けにもなることでしょう。

スマホのパスワード、遺族は解除できるのか?

外付けハードディスクなど、パソコン関連データの取扱いを中心にこれまでの話題を進めてきましたが、最もプライベートな情報が詰まっているかもしれない場所は、スマートフォンの中かも知れませんね。スマホには、ほとんどの方がパスワードを設定しているのではないでしょうか。

 

そして、スマホの場合、第三者が携帯電話会社に持っていっても、原則としてパスワードは解除してもらえない規則となっています。よって、遺族など他の方がスマホを持って携帯電話会社へ持ったとしても、パスワードを解除して中身を閲覧される心配はありません。遺族に写真などを引き継ぎたい場合は、あらかじめパスワードを終活ノートに記しておきたいところです。また、iCloudやGoogleフォトなどのデータ同期サービスを使って、データを生前から共有しておくのも便利ですね。

 

デジタルデータの終活は「仕分け」が肝要!

 

今回ご紹介した内容「流出厳禁なデータを管理する方法」の要点は、


・混ざっているから流出する。仕分けしておこう
・暗号化して保存すれば、簡単に閲覧される心配なし
・鍵端末が必要なハードディスクに入れておくことも吉◎

 

 

秘匿性を守るデータ保存のポイントは、こちらの3つです。
デジタルデータ終活のため、参考にしてみてくださいね。

投稿者プロフィール

大和泰子
大和泰子
一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役

【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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