仮想現実世界であるメタバースが発展し、誰でもデジタルアバターを作ってバーチャルの世界で交流したりゲームを楽しんだりする時代に突入しています。
そんなもう1つの世界と言えるデジタルの仮想空間ですが、近年では冠婚葬祭に関するサービスが注目されています。
この記事では、メタバースにある霊園、そしてNFTでのお墓が売れている事情についてご紹介します。
今NFTのお墓が世界で売れている
今世界ではNFTという新しいデジタルファイルが話題になっています。
NFTとは?
NFTとは非代替性トークンのことで、偽造や改ざんが難しいブロックチェーン技術によって、唯一無二のデジタルデータです。
つまり、これまで画像などのデジタルデータは簡単にコピーされ、著作物としてきちんと証明されることが難しい状態だった中、NFTは固有の価値がつけられるようになったのです。
かつての有名画家の作品に何億円もの価値がつくように、デジタルデータ1つ1つにしっかりとした資産価値がつけられるようになったため、高値で取引されています。
NFTは誰でも作成ができるうえ、もし転売されると作者に報酬が還元されるというシステムです。
NFTのお墓は大切なデジタルデータをずっと保存できる
このブロックチェーンの技術を利用して、注目を集めているものがNFTのお墓です。現実のお墓は区画を購入し、永代使用料や管理費などを支払うことで所有しています。
NFTの墓地も同じく、作成者が明確でありブロックチェーンの技術によって永久にわたってデータが保管されるのです。
現実の世界だと日焼けなどの経年劣化で、思い出の写真やメッセージは色褪せてしまったり破損したりします。
ブロックチェーン技術を活かしたNFTのお墓なら、デジタルデータとして未来永劫管理され、しかも改ざんされる心配もないのです。
NFTでバーチャル墓地を買うメリット
NFTでバーチャルなお墓を買うことは、次のように色々なメリットがあります。
費用を抑えられる
NFTは誰でも作成ができ、特にサービスを活用しなくてもNFTデータを自ら作り出せます。
そのため、実質無料で残したいデータをNFTとして記録して、後世に伝えられるのです。特に都心部では墓地の区画不足で、小さな区画であっても100万円以上など高額です。
地方にお墓を建てたとしても、その後の管理者がいないといったトラブルがあります。
しかし、あらかじめお墓を新しく建てるのではなく、お骨は納骨堂や永代供養墓を利用し、あとはNFTのお墓で自身の生きた証を残すことが可能です。
子孫の代に進むほど、デジタル社会は加速していきます。NFTのお墓を建てることは、未来のスタンダードになる可能性が高いのです。
動画や写真をきれいに残せる
NFTは改ざんされるリスクが限りなく低いデジタルデータを使った資産です。
それゆえに、写真や動画のデータをいつまでもきれいに残せるのです。現実で撮影した写真も、そのままスキャンしてデジタルデータにすれば何代にもわたって記録に残せます。
子孫に伝えたい家族との思い出や、自身の功績など、残したいデータを数100年にわたって残せるところが、現実のお墓との大きな違いなのです。
現実の墓の後継者がいなくともデジタルデータとして残る
NFTのお墓は一度作成し、所有者となれば未来永劫データとして残り続けます。
デジタルデータは生前のうち、自身のパソコンにデータを入れて保管することも可能です。しかし、パソコン内に保管したデータはパソコン自身が寿命を迎えればやがて取り出せなくなります。
また、データをインターネット上に保存するクラウドサービスを利用したとしても、そのサービスが終了すれば閲覧ができずデータも消滅する可能性があります。
NFTは永久保存されるデジタルデータで、改ざんもできないからこそ子供や孫、さらにその先の代にまで伝えられるのです。
現実のお墓の管理ができなくなっても、NFTのお墓なら管理不要でいつまでも鮮明なデータが残ります。
さがみ典礼はメタバースの霊園サービスを提供
2021年にメタバースの世界に登場したネット霊園を、現在は冠婚葬祭の大手であるさがみ典礼が引き継ぎました。
遺影をデジタルデータにした霊廟に、アバターとなった遺族や知人がお墓参りできるというシステムです。
仮想空間ならではのファンタジックな世界や、無限にある土地により現実の世界で問題になっている墓地不足、遠方でお墓参りできないといった問題を解決できます。
まとめ
経年劣化の心配がなく、後世に伝えていけることがデジタル化したお墓の特徴です。近年急速に広がるNFTなど、資産価値のあるデータとしてお墓を作る人も登場しています。
今後デジタル技術を活かした、新しい形のお墓や葬儀は増えていくと予想されます。
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役
【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー
家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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