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飼い主が亡くなった後のペットの行く末 〜50代からの終活 シニアの生きがい楽しみ〜

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50代からの終活と題して、シニアライフへの備えに役立つ情報をお届けしているコラムシリーズ。先週からは「生きがい・楽しみ」に焦点を合わせて人気な趣味や過ごし方について特集しています。この「シニアライフの生きがい・楽しみ」のなかで、今回のコラムでは、「飼い主の死後のペットの行く末」を取り上げてみたいと思います。

現在すでに動物と共に暮らしている方だけでなく、シニアライフに突入したら動物と共に暮らしたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。動物と暮らす夢をもつ一方で、気になるのは動物と自分自身の寿命について。ペットが天寿を全うするまで世話してあげられるならば安心して飼えるものの、

「加齢に伴う怪我や病気で、世話できなくなるかもしれない」
「様々な事情で、老人ホームへ入居することになるかもしれない」
「ペットよりも自分の寿命の方が短いかもしれない」

と様々な懸念が上がるシニアライフ。

現実問題として、動物臨床医学会での報告によれば、ペットの遺棄にまつわるケースを年齢別でみると、60代以上の世代が56を占めているという残念なデータも報告されています。その背景には、飼い主の死や病気、認知症、施設入居のタイミングで飼われていた動物が遺棄されているというのです。

現在、すでに動物と共に暮らしているシニアの方、
そして、シニアライフには念願のペットを飼いたいと夢を抱いている方へ。
本来であれば自分自身がペットが死期を迎えるまで世話できることが第一ですが、加齢に伴うやむを得ない事情によってペットの世話をしきれなくなった場合の選択肢をいくつかご紹介します。自分の健康や経済的な状況と動物の寿命を踏まえ、最期まで飼い主の責任を果たす確実な方法を熟考の上、動物と共に暮らす穏やかな日を迎えたいですね。

 

飼い主の死後に備えたペットへの保証について


第一に、ライフスタイルについて熟考の上、ペットが天寿を全うするまで世話をすること。万が一、自分自身が突然死してしまったような場合でも、ペットが理不尽に遺棄されないような策を講じた上で、動物を家族として迎え入れましょう。

このことを大前提として、万が一の事情でペットの世話をしきれなくなった場合の保証として、下記のような備えが選ばれています。

選択肢① 意思表示しておく

1つ目の選択肢は「負担付遺贈」という制度について。飼い主の死後、相続を行う場合に、何らかの負担(条件)を課すこと、この場合で言えば相続に伴ってペットの世話も合わせて引き受けてもらうような義務を課すことを「負担付遺贈」と呼びます。この場合、飼い主が生前に特定の相続人を指定して「飼い主の死後もペットを世話してくれるのであれば財産を渡します」と両者合意の上で、飼い主が生前に遺言を残しておくのです。

但し、相続を受ける側の事情が代わった場合には遺贈を放棄することもできる制度ですので、必ずしもペットの生活が保証される訳ではないことを考慮してくださいね。

選択肢② 財産相続の代わりに契約を結んでおく

続いての方法は「負担付死因贈与契約」と呼ばれる制度です。ペットの世話を任せる背景は先程ご紹介した負担付遺贈と同じで「飼い主の死後もペットの世話をしてくれるのであれば、財産を渡します」と両者の合意によって契約を結びます。

この場合、あくまでも遺言書止まりの負担付遺贈とは違って、相続人との間で契約を結びますので、基本的には相続人が一方的に契約を撤回することはできません

よって、最初にご紹介した負担付遺贈と比べると、負担付死因贈与契約の方が、ペットの生活が保証されやすいという特徴をもっています。

 

選択肢③ ペット信託を契約しておく

3つ目の選択肢としてご紹介するのは、近年特に注目を集めるペット信託の制度について。信託とは読んで字の如く「信用して託す」という意味を持ちます。ペット信託では、事業を行うNPO団体などに、ペットの生活に必要な財産の管理を委託します。そして、飼い主自身に万が一のことがあっても、託した財産から自分の死後もペットの世話に必要なお金を管理してもらい、管理を託す仕組みです。

有名な事例でいえば「投資信託」で代表されるとおり、一言に信託といっても様々なに様々な分野でのサービスがあり、これらは「信託法」の法律に基づいて手続きが行われます。詳しくは、ペット信託を引き受けている団体を頼ったり、予め弁護士等の専門家に相談しながら生前に契約へ進めておきましょう。

想いの引き継ぎには、エンディングノートを

ご存知のとおり、環境の著しい変化は動物にとっても負担になってしまいます。万が一飼い主である自分自身が死亡した場合、その後のペットをどのようにケアしてほしいのか、もしもの場合に備えてエンディングノートを活用したい場面です。ペットの習性や好み、行きつけの美容院や獣医さんなどを書き記すことで、何も情報がないよりも、想いを引き継いでもらえる可能性が高まりますよね。お金や条件に関する契約を整えておくだけでなく、想いも引き継げるようにエンディングノートを活用してみてくださいね。

 


まとめ「家族に迎え入れる前に熟考と計画を」

 

今回のコラムでは、飼い主が死去した場合のペットの保証について「3つの選択肢」と「エンディングノートの活用」を例にご紹介しました。しかし実際にシニア世帯と動物の遺棄が社会問題にもなっている昨今、対策として講じられる選択肢も多岐に広がりつつあります。

例えば、施設入居に伴って動物を飼えなくなる心配が大きいのであれば、ペットと共に入居できる施設を探すこともできます。飼い主が死去したり、病気や事情によって継続して飼えなくなった場合に、ペットの世話を任せられる老犬ホームもございます。飼い主自身の健康面で不安が大きくなってきた為、第三者に日頃の世話を任せながら、週末に会いに行くようなライフスタイルをとる方もいらっしゃるようです。

いずれの場合も、

1)自分自身が健康なうちに手続きを進めておくこと

2)世話を託す場合に必要なお金を残しておくこと

3)自分とペットの寿命を考慮して動物を迎え入れること

 

技術の進歩によって、人間も動物も寿命が延びている現代、大前提として「自分自身が最期まで動物の面倒をみること」と決意と計画をもって、安心して幸せを感じられる動物のいる暮らしを始められると何よりですね。

投稿者プロフィール

大和泰子
大和泰子
一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役

【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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