老後は経済的な困窮や病気、介護のことなど、気になる問題や知っておきたい情報がたくさんあります。穏やかで楽しいシニア生活を送るために、相談できるプロフェッショナルとつながりを作っておきましょう。
この記事では老後の金銭、介護、遺産問題などに関して、相談できるプロフェッショナルをご紹介します。早い段階から相談できる環境を整えておくと、いざというトラブルの際にスムーズに対処できます。
シニアに起こりやすいトラブルとは?
最初に、シニアだからこそ起こりやすい悩みやトラブルをご紹介します。
老後の生活資金の不足
定年退職後は年金で生活する方がほとんどです。年金は給与と比較すると金額が少なく、生活水準を変えないままだと収入に見合わない生活を続けてしまいます。
その結果、経済的に困窮してしまうシニアの方がいらっしゃいます。老後の生活に必要な資金や、年金収入のことなど、お金に関するプロフェッショナルとつながりを作っておけば、経済的な不安を相談できたり、利用できる助成金制度などの情報を提供してもらえます。
病気や介護生活への不安
シニアになると病気や介護といった健康にまつわる不安や悩み事が増えます。たとえば医療費のことや、介護施設の利用など、専門的な相談ができる介護関係のプロフェッショナルと相談できると安心です。
相続関係
シニアは子供たちへの相続について検討する必要があります。資産をどのように分配するのか、今持っている不動産や株券などの扱いをどうするかなど、相続にまつわる問題を生前のうちに整えておくと、遺族の負担を軽減できます。
相続問題は子供たちの兄弟間での不仲の原因や、相続税などの経済的な負担につながることもあります。相続にまつわるプロと相談できれば、安心して老後を過ごせます。
お墓や葬儀のこと
お墓を新しく建てるのか、それともあえてお墓を持たない形の供養方法を選ぶのか、決めておくことも終活の1つです。また、葬儀のスタイルや予算など、死後のことなどを相談しましょう。
シニアの問題に対応できるプロとつながりを持とう
シニアは健康やお金のこと、さらに亡くなった後の手続きなど、あらかじめ考えておきたい課題がさまざまあります。
自分である程度調べることもできますが、専門的な知識や最新の情報を得るにはプロの力を借りることが大切です。ご自身だけで悩まずに、かかりつけ医を作るように老後のトラブルに対して、すぐ相談できるプロとつながりを持っておくと安心です。
どんなプロに相談できる環境を整えていればいいか、問題別でおすすめをご紹介します。
お悩み別!シニアの相談相手になるプロフェッショナルは?
シニアの相談相手として、つながりを持っておきたいプロフェッショナルをご紹介します。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、将来のライフプランを設計してお金の管理などを相談できる、お金のプロフェッショナルです。
人生後半戦のライフプランを相談でき、老後に安定して生活するために必要な資産や、貯金の計画、今ある老後資金の管理など、お金に関してあらゆる相談ができます。
行政書士
行政書士は相続にまつわる手続きの代行や、任意後見契約、事後事務委任契約など、生前から亡くなった後の手続きのことを相談できます。
公的な遺言書の作成や、遺産分割の協議書の作成など、遺産にまつわる手続きをスムーズに進めてもらえます。法律上の守秘義務もあるため、周囲に知られずプロに相談しながら相続について取り決めていきたい方も安心です。
消費者生活センター
消費者生活センターは、商品やサービスなどの消費生活全般に対して相談できる場です。
たとえば、悪質商法による契約トラブルや、訪問販売、通信販売に関する高額請求など、シニアをターゲットにした詐欺被害に見舞われる可能性があります。
そのようなトラブルに対して、消費者生活センターに相談できれば、被害を回復できるきっかけにつながります。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、高齢者からの相談に応じるための支援センターです。介護のことや、医療、保健、福祉など、ご高齢の方を支えるための総合相談窓口と言われています。
ケアマネージャーや保健士など、介護のことや保健福祉サービス、日常生活を送るための支援などを相談できます。また介護保険の申請窓口でもあり、日々の暮らしをサポートします。
高齢者の権利擁護を実現することが役割の1つで、悪徳商法への消費者被害の対応、さらに認知症発症に対する成年後見制度の手続きの支援なども、地域包括支援センターに相談できます。
終活アドバイザー
終活アドバイザーは、終活にまつわるさまざまな事柄についてアドバイスする専門資格です。たとえばエンディングノートの作成についてであれば、ノートに記す内容や保管場所など、気になる疑問にしっかりと答えてくれます。
ほかにも、終活で考えておきたい財産贈与や家の売却、権利の譲渡などの専門的な手続きについて、弁護士やファイナンシャルプランナーなど、専門家との橋渡しも担っています。同じ席に専門家と終活アドバイザーが同席して、一緒に依頼主の話を聞くこともあります。
また自治体窓口への同行サポートなど、終活に関する相談とアドバイスのほか、サポートまで人生のエンディングにまつわる事柄を幅広く手助けしてくれる専門家です。
おひとりさま終活士
おひとりさま終活士は、将来おひとりで暮らす可能性があるご高齢の方や、現在一人暮らしをされている方を支援しています。おひとりさまに合わせたライフプランの提案や、資金管理、契約手続きの代行など、終活の備えやアドバイスなどを受けられるため、頼る身内が近くにいない方が安心して利用できます。
また入院や施設入所の際に、身元保証人が必要な際に代行したり、病院や施設で入居者が亡くなった際の身柄の引き受け、荷物の引き取りなどの身元保証人代行サービスも利用できます。
今後おひとりさまのシニアが増えていくことが予想され、需要が高まっているプロフェッショナルです。
まとめ
シニアならではの健康やお金に関する悩みは、家族だけで解決するのではなく、プロに相談しましょう。プロは常に最新の情報を持っており、生活の不安を解決するために必要な手続きや制度などを紹介してくれます。
また、終活を進めている方は相続の手続きや、亡くなった後の代行手続きを依頼できるプロを見つけておくと安心です。特にひとり暮らしのおひとりさまには、金銭のことや手続きに関することなど、終活に関する悩みを相談できるおひとりさま終活士がおすすめです。
ぜひ、老後の備えとして、地域にあるサービスなども活用してみてはいかがでしょうか。
投稿者プロフィール

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一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役
【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー
家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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