ご遺骨は郵送や宅配できる？ゆうパックで送るときの注意点

近年、墓じまいや永代供養を希望される方が増えており、ご遺骨を直接お寺や霊園まで運べないことで、ご遺骨を郵送する方が増えています。

実はご遺骨を運ぶ方法は直接持っていくだけでなく、郵送も利用できることをご存知ですか？この記事ではご遺骨を送る方法と注意点をご紹介します。

国内でご遺骨を運べるのはゆうパックのみ

ご遺骨を運ぶことは、特に法律で禁止されていません。ご遺骨については「墓地・埋葬等に関する法律」で細かく定められていますが、禁止されているのは無許可の場所に埋葬することです。

自宅の庭に埋めるなどは法令違反になってしまいますが、ご遺骨を送るという行為そのものは問題ありません。ただし、国内でご遺骨を安全に運べるのはゆうパックのみです。

佐川急便やヤマト運輸などは、ご遺骨を運べないため日本郵便のゆうパックを利用するようにしましょう。ちなみに国外に郵送することは禁止されています。

国際宅配便である「ゆうグローバルエクスプレス」でも、「遺体、位牌、遺骨」は国外へ向けての発送が全面的に禁制品になっているため、発送しないように注意してください。何らかの理由で国外へのご遺骨の発送を希望される方は、国内だけでなく発送先の国からの許可が必要になります。

ゆうパックでご遺骨を送るときの注意点

ゆうパックでご遺骨を送ることはできますが、注意したいポイントがあります。大切なご遺骨を運ぶうえで、安全に現地へ届けられるように知っておきたいルールや注意点をおさえておきましょう。

万が一の郵便事故でも保証がない

ゆうパックを含めて、荷物の配送は万が一の郵便事故のリスクがあります。ゆうパックでは30万円までの補償を用意していますが、ご遺骨は値段がつけられないものです。

補償されるのは骨壺などの金額のみで、郵便事故によってご遺骨が行方不明になってしまうリスクはゼロではないのです。何らかの理由でご遺骨を送るときには、郵便事故のリスクも考えたうえで発送するか検討しましょう。

ちなみにゆうパックは今どこにあるのか、配達状況を調べるサービスがあります。無事配送先に届いたのか、今どこにあるのか常に確認できるため、ご遺骨を送るときは活用しましょう。

ご遺骨の水分を抜いてから送る

長年お墓の中や手元供養していた骨壺の中には、湿気によって水分が溜まっている可能性があります。そのまま梱包してしまうと、配送時の衝撃で水分が中からこぼれる原因になってしまいます。

また、湿気を放置するとご遺骨のカビの原因にもなるため、配送時はいったんご遺骨の状態を確認したうえで、水が入っているときは捨ててご遺骨を乾燥させましょう。

割れものとしてしっかりと梱包する

ご遺骨が入っている骨壺は瀬戸物で、ご遺骨自体も衝撃によって破損する可能性があります。安全に届けるためには、しっかりと割れものとしての梱包を施しましょう。

割れものの梱包は周囲に緩衝材を入れて、骨壺が動かないようにしっかりとテープなどで固定することが条件です。また、永代供養などご遺骨を郵送する形で埋葬してもらえる寺院などに依頼する場合は、ご遺骨専用の梱包セットを用意しているところもあります。

また、ご遺骨梱包用のセットを販売している通販サイトなどもあるため、安全に骨壺を固定して運ぶために、しっかりと梱包できる方法を考えましょう。

ゆうパックでご遺骨を送るときの手順

ゆうパックは2022年10月現在、県内あての60サイズで810円からの配送料が設定されています。送る地域や段ボールのサイズによって料金が変わるため、まずは配送料を確認しておきましょう。

次に必要であれば墓じまいの手続きや、新しく納骨するにあたっての費用の確認も必要です。

段ボール、ガムテープ、緩衝材を用意して骨壺が開かないように大きなビニール袋に入れてガムテープで固定したうえで、隙間に緩衝材を入れましょう。

また、段ボールにはこわれもの・逆さま厳禁シールを貼った状態で発送してください。こわれもの・逆さま厳禁シールは、郵便局で受け取れます。

郵便局まで重い段ボールを持っていくことが困難な方は、電話やインターネット申し込みによって、段ボールを引き取りに来てもらうことも可能です。ご高齢で車の運転が困難な方や、段ボールの持ち出しがむずかしい方でも、ゆうパックのサービスを活用すれば骨壺を発送できるため、ぜひ申し込んでみてはいかがでしょうか。

まとめ

ご遺骨はゆうパックで発送できます。こわれものとして発送するにあたって、しっかりと梱包して骨壺が開かないように管理することが大切です。

もしご遺骨を郵送することがあれば、料金などを調べたうえで配送先にご遺骨を送る旨を伝えておきましょう。また、大切なご遺骨を守るために追跡機能を活用するなど、実際に送り先までご遺骨が届くことを確認することも忘れないでください。

足腰が弱ってご遺骨を運べない、遠方の霊園や寺院に永代供養を依頼したいといった方は、ぜひゆうパックを活用してはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

土屋福美子

一般社団法人包括あんしん協会理事
株式会社 WISHLANE 取締役

【資格】
ファイナンシャルプランナー
終活アドバイザー
高齢者住まいアドバイザー
デジタル遺品アドバイザー

お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのあなた人生のスパイスとして一生涯サポートしています。

約5000人の保険コンサルティング実務経験から
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