葬儀のスタイルは多様化しており、昔から続くお通夜をした翌日に告別式を執り行う方法以外にも、さまざまな方法が提案されています。その中でもコロナ禍の影響により、今注目されている葬儀のスタイルがイブニング葬です。
この記事ではイブニング葬とは何か、メリットや基本的な流れを解説しますので、ぜひ参考にしてはいかがでしょうか?
イブニング葬とは?
イブニング葬とは夕方から夜にかけて葬儀を執り行う1日葬のことです。従来であれば、お通夜をした翌日の午前中に告別式を執り行うスケジュールでしたが、近頃は家族葬が増えており、小規模で行うイブニング葬が注目されているのです。
イブニング葬は18時頃から葬儀と告別式が始まるスケジュールが多く、翌日に火葬します。葬儀の時間は午前10時頃の開始が定番ですが、あえて夜にかけて葬儀を執り行うことで、従来の葬儀とは異なるメリットが複数あります。
イブニング葬の特徴とメリット
イブニング葬の特徴と、メリットについて、さらにくわしく見ていきましょう。
日中に参列できない方が葬儀に参加できる
イブニング葬の一番のメリットは、夕方から夜にかけて葬儀を執り行うため、仕事帰りでも参加できる点です。ご友人や仕事関係でお世話になった方々など、親族以外で故人と関わりが深い知人が参加しやすい時間帯です。
葬儀ですがお通夜に参加する感覚に近く、従来の午前10時頃にスタートする葬儀では参列がむずかしいといった方々も無理なく参加できる点が支持されています。
また、ご遺族の中でもどうしても日中の仕事を休めない方や、夜間でないと時間がとれないといった方もいらっしゃいます。イブニング葬は現代人のライフスタイルに合わせた葬儀なのです。
火葬場の予約がとりやすい
日本の人口は減少傾向ですが、高齢化社会の影響で葬儀の数は今後ますます増えていくと予想されています。その中で、火葬場の予約が取りづらくなっており、特に人口が集中している首都圏は、火葬の予約がとれない傾向にあります。
イブニング葬は前日の夜のうちに葬儀を終えており、翌日の早い時間から火葬ができます。従来であれば葬儀が終わったお昼ごろから火葬をするスケジュールですが、それよりも早い午前中から火葬ができるため、比較的予約をとりやすいのです。
遺族の負担が少ない
葬儀に合わせて仕事の休みをとることが難しい方も多くいらっしゃいます。どうしても仕事を休めずに、葬儀に参列できないといったスケジュールの負担を軽減できる点が、イブニング葬の特徴です。
また、お通夜を行わずに葬儀・告別式のあとに火葬というスケジュールのため、従来の葬儀よりも時間的、体力的な負担が少ない点も、イブニング葬が選ばれている理由なのです。
イブニング葬の流れ
イブニング葬の流れや時間帯は葬儀社によって多少の違いがあります。
しかし、基本的な流れは同じのため、参考としてイブニング葬の流れをご紹介します。
- 従来ではお通夜がはじまる18時前後から葬儀が開始。
- 故人と参列者が対面してお別れ花を入れ、お別れを告げる。
- 翌日の午前中に身内のみで出棺・火葬を行う。
イブニング葬は仏教だけでなく、キリスト教や神道などほかの宗教や、無宗教の方でも対応できる葬儀です。
そのため、宗教によっては葬儀よりも会食をメインにすることもあります。
イブニング葬の注意点
イブニング葬が増えている中で、まだイブニング葬に対応していない葬儀社や、なかなか理解を得られない親族がいる可能性もあります。
イブニング葬を選ぶ際は、事前にイブニング葬を実施できる環境を整えておくことと、周囲の理解を得ておくことをおすすめします。
参列者や宗教関係者の理解を得る
お通夜は夜に行い、葬儀は翌日の午前中にはじまるといった従来の葬儀のスタイルが定着している中、イブニング葬に混乱する参列者の方もいらっしゃいます。
中にはお通夜がないことで、お別れの時間が短いと感じるご遺族もおり、通常の葬儀よりもスピーディに進んでいくこともイブニング葬で知っておきたい大きな特徴です。
それゆえなかなか参列者の理解を得られない可能性もあり、檀家になっている菩提寺に葬儀の依頼をする際も、イブニング葬には対応していないケースも十分に考えられます。
もしイブニング葬を希望するのであれば、菩提寺に連絡のうえ夜間の葬儀が可能か相談しておきましょう。また終活でイブニング葬を考えている場合は、家族や親族に希望を伝えて理解を得ておくと、後のトラブル防止につながります。
対応している葬儀会社が限られている
イブニング葬は通常の葬儀とは異なり、僧侶の手配や葬儀の準備など、通常とは異なるスピード感で進めていく必要があります。そのためイブニング葬を希望しても、葬儀を依頼したい葬儀会社が対応しているとは限りません。
今後ますますイブニング葬を実施する葬儀会社は増えていくと予想されますが、現時点で対応可能か調べておくと安心です。
また、イブニング葬に対応している葬儀会社が近くにあるか、周囲の情報を確認することもおすすめです。
まとめ
近年、高齢化社会の影響で、首都圏では特に火葬場が不足している状況が問題視されています。そこで、火葬する時間を早められるイブニング葬が、注目されているのです。
また、家族葬などの少人数での葬儀を希望される家庭が大幅に増えていることも、お通夜を行わないイブニング葬の希望が集まっている理由と言えるでしょう。
予約がとりやすく、ご遺族の体力、精神的な負担も減らせることがイブニング葬の1つのメリットです。終活で葬儀のスタイルを考えている方は、イブニング葬も検討してみてはいかがでしょうか。
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会理事
株式会社 WISHLANE 取締役
【資格】
ファイナンシャルプランナー
終活アドバイザー
高齢者住まいアドバイザー
デジタル遺品アドバイザー
お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのあなた人生のスパイスとして一生涯サポートしています。
約5000人の保険コンサルティング実務経験から
「お金、心、身体」のトータルサポートが必然。
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