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お金の終活。資産をリスト化しよう リストアップする資産項目とは?

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老後の生活はお金の把握をしっかりと行い、管理することが大切です。
生活費の確保などのライフプランのほか、将来の相続のためにも資産をリスト化して管理しましょう。
終活として実施したい、リストを作っておきたい資産項目や、老後の生活に関するお金の管理についてご紹介します。

老後は資産を把握することが重要

老後の資金は収入が減る分、不安に感じている方が多くいます。しかし、今自分がどれくらいの資産を持っているのか、毎月どれくらい出費しているのか、お金の出入りをきちんと把握している人はあまり多くありません。

老後はしっかりと資産を把握して、将来に備えることが重要です。特に定年退職後、年金のみで生活している家庭は、寿命の前にキャッシュアウトしてしまうこともあります。

だからこそ資産を把握して、どのくらいお金を使えるのか、どのくらいの消費をおさえれば生涯安心して暮せるのか、老後のライフプランを考える「お金にまつわる終活」を行いましょう。

今ある資産をリスト化しよう

お金の管理のためには、今ある資産をしっかりとリスト化することがおすすめです。使用している預貯金口座、自宅以外の不動産、証券、保険など、保有している資産をすべてリスト化すると、現状の資産を把握できます。

また、毎月の固定費も書き出してみると、今後のシミュレーションが出来ます。また、認知症になった時、亡くなった時に、家族が手続きを進められるように、保有しているカードや携帯電話会社、近年では動画配信などのサブスクリプションといった、毎月自動で口座から引き落とされているものも、詳細に把握しておきましょう。

記録する方法は自由ですが、大切な事はエンディングノートに記載しておくと自分自身も、ご家族も確認しやすくなります。また、パソコンに入力してコピーした書類を保管する方もいます。

リストアップする主な資産項目

具体的にリストアップしておきたい、資産項目をご紹介します。

  • 預貯金…金融機関名・口座番号・普通預金と定期預金
  • 現金…場所・金額
  • クレジットカード…枚数・カード会社名
  • 携帯電話…契約している会社名
  • 貸金庫・レンタル倉庫…場所
  • 生命保険…保険会社名・担当者
  • FX・仮想通貨…取引所名
  • 株・債券・投資信託…証券会社名・資産の種類など
  • 不動産…場所・種類
  • 会費制のサービス(サブスクリプションなど)…契約している数・契約社名

リストアップしていくと、口座を作ったまま長年使用していない通帳や、口座が見つかることもあります。口座の数が多いほど管理に手間がかかるうえ、将来的な不正利用のリスクもあります。

使っていない口座は解約しておきましょう。また、保有している不動産や債権、クレジットカードといった、普段家族にあまり話さないような資産も、リスト化しておくと、いざという時に安心です。

リストアップした資産を分類しよう

リストアップした今ある資産の中から、どこに使うのか、目的別に分けていきましょう。
使って良いお金、残しておきたいお金を把握すると、金銭を契約的に管理できます。

生活費に使用するお金

毎月の食費や医療費など、生活費に必要なお金です。特に長生きした場合を想定して、年間の使用額を決めたうえで100歳までのお金を計画しておきましょう。

たとえば、現在60歳であれば100歳までどれくらい年間の生活費が必要なのか計算したうえで、赤字になりそうであれば、今の資産が目減りしない運用方法を検討するなど、老後の経済破綻につながらないよう早めに準備することがコツです。

将来の医療や介護に備えるためのお金

現在は健康に問題がなくとも、将来的に病気やケガのリスクはあります。
その際の医療や介護にそなえて、100~300万円程度を残しておくと、急な出費が続いてもある程度対応可能です。
将来老人ホームや高齢者向け住宅へ移住する予定であれば、入居にかかる費用も今ある資産でまかなえそうか、計算しておくと安心です。

住宅リフォーム・車の買い替えなどの生活費以外のお金

毎月の生活費以外で、大きな出費に備えておくためのお金です。具体的には住宅のメンテナンス、リフォームに、車の買い替えといった大きな買い物です。

ほかにも、旅行や趣味に使いたい娯楽費なども、生活費以外で用意しておくと、老後の生活をさらに豊かにしていけることでしょう。

住宅や車にまつわる費用は、何年後どれくらいかある程度見積もっておいて、合計額を出すことをおすすめします。

遺族に渡したい資産

将来的に残った遺産を、誰にどの資産を渡したいのかを考えておきましょう。

また、不動産については現金化しにくかったり、複数の相続人がいる場合は分けるのに難しく争いに発展してしまう事も多いのが現実です。すでに持っている資産全体を把握して、どれくらい価値があるのか計算することもおすすめです。

ちなみに遺産額が相続税の基礎控除を上回るようであれば、税金対策の検討が必要です。
資産をリスト化することが、老後の生活の安定やスムーズな相続につながっていくのです。

作った資産リストを家族と共有しよう

作ったリストは万が一に備えて家族に保管場所を教えておきましょう。もし問題がなければ、あらかじめ家族とリストそのものを共有しておくといざという時安心です。

現金などの預金残高は無理に全員へ知らせる必要はなく、万が一の際に解約手続きをお願いできるように、契約している銀行名や口座の数などを教えておくだけでも十分です。

まとめ

資産をリストアップすることで、どのような葬儀を執り行いたいか、お墓を建てられるかなど、より具体的な内容を考えるきっかけとなります。そして認知症や介護になってしまった時、施設に入所する際にも役に立ちます。

お金の終活は、老後の生活を不安なくより佳く生きるためにも、目に見える形で資産を把握して管理しやすくしておくことが大切です。

投稿者プロフィール

大和泰子
大和泰子
一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役

【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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