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老後破産とは?破産につながる原因と今すぐできる対策

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「老後まで借金が残ってしまいそう」
「生活するだけの年金がもらえない」

このような、老後に関する経済的不安に悩んでいる方が増えています。

老後に生活が送れない事態に陥ってしまい、老後破産してしまう可能性もあるのです。

この記事では、気を付けたい老後破産とは何かくわしくご説明します。老後破産につながる原因や、今からできる対策をご紹介するため、ぜひ参考にしてはいかがでしょうか。

老後破産とは?

老後破産とは定年後に年金生活を送っている中、生活資金が足りなくなって破産状態に陥ってしまう状態のことです。

高齢化社会が進んでいる中、シニアの方の貧困問題は大きな課題になっています。老後資金を蓄えていても、退職金を受け取っていたとしても、思わぬ理由から老後破産になってしまう方もいらっしゃいます。

そのため、老後破産は決して他人事ではなく、自分にも起こる可能性があると知っておくことが大切です。老後破産に陥ってしまう原因を知り、早い段階から対策をとっていきましょう。

老後破産につながる主な4つの原因

老後破産につながる4つの原因をご紹介します。老後破産は誰にでも起こりやすい可能性があるからこそ、対策をしておけば安定した老後の生活を実現できます。

まずはなぜ老後に経済的に困窮してしまうのか、原因を知っておきましょう。

定年退職後の収入が減少

定年退職したあとは、多くの方が年金生活をスタートします。しかし、働いていた頃と比べると支給額が少ない方が多く、老後の生活費が不足する可能性があります。想定よりも年金受給額が少なかったため、それだけでは生活費が足りないという理由から、老後破産に繋がってしまうのです。

実際に厚生労働省が発表した、国民年金受給者の年金月額は次のようになっています。

自営業者…国民年金56,049円
会社員…厚生年金146,162円

参考:総務省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況

このように、自営業者は5万円台、会社員は14万円台が平均月額です。この金額のみでは生活費が足りないと考える方は多くいます。特に都会などの物価が高いエリアでは、最低限の固定費の支払いだけで年金分を使ってしまう方がめずらしくありません。

また、年金の未納時期があればその分受給額も減ってしまうため、事前に年金の受給額を調べておくことも大切です。

生活レベルを落とせない

老後破産になる原因は、働いていた現役時代と同じ感覚で出費してしまうなど、生活レベルを落とせないことも大きな理由と言われています。

給与収入がある時期と同じペースで出費していれば、いずれ貯金がなくなり老後破産に向かってしまいます。定年後は再雇用で働かない限り、年金が収入の中心になります。そのため収入が大幅に減っている状況に合わせて、収入と支出のバランスを調整する必要があるのです。

現在の老後資金のほか、退職金、そして毎月受け取れる年金の額を把握したうえで、無理なく生活できる支出額を考えることが大切です。

住宅ローンなどの返済が残っている

定年退職した後も、住宅ローンなどの負債が残っていることで老後破産につながるケースが増えています。近年は晩婚化が進んでおり、マイホームを購入するタイミングも遅くなっています。

その影響で65歳を過ぎてもローンが残っており、老後資金を返済に回すことで、想定外の出費がかさみ、老後破産につながってしまうのです。

賃貸の場合でも毎月固定の家賃が発生するため、年金のみの生活では大きな負担の原因になります。

医療や介護費用の負担

高齢になると気になってくる問題が健康不安です。

若い頃は病気知らずだった方も、定年退職後は体調を崩してしまったり、予期しないケガをしたりする方が少なくありません。高齢者の医療費は負担額が少ないものの、それでも長期的な通院は交通費や医療費などさまざまな費用がかかります。

公的保険では対応しきれない大病を患うリスクも考えられます。また、パートナーがいる際は介護問題も出てきます。介護施設や老人ホームの入居費用など、月額費用が発生すればその分出費がかさんでいきます。

想定していない出費が続くと、やがて年金のみでは賄えなくなり、老後資金を蓄えていた方でも老後破産につながってしまうのです。

老後破産を防ぐための対策

そんな老後破産を予防するには、早い時点でお金の管理を徹底することが大切です。今から気を付けたい4つのポイントをご説明します。

年金生活中の生活費を計算しておく

年金生活に切り替わっても、支出が多いままでは老後破産につながってしまいます。まずは年金をいくら受け取れるかきちんと計算したうえで、現在の支出を見直しましょう。

年金だけでの生活が困難であれば、老後資金を増やすことや、定年後の収入に合わせて生活レベルを変えることなどが大切です。

定年退職後の働き方を考える

定年退職後に再就職されるシニアの方が増えています。人生100年時代と呼ばれており、平均寿命もどんどん伸びています。

定年退職の年齢になってもまだ働ける体力や気力がある方は、新しい職場で働くことも老後破産を防ぐコツです。

年金では補いきれない生活費も、現役で働いていれば収入をアップできます。元気なうちに働くことで、年金に頼らず心にゆとりを持って生活できます。

物を減らしてコンパクトに暮らす

固定費を減らして出費を少なくすることは、老後破産の防止に役立ちます。近年では子供たちへの負担を減らすため、生前のうちから自宅を売却してコンパクトな住まいに環境を移す方が増えています。

また物が多ければ多いほど、それを管理する費用とスペースが必要になります。不必要なものを減らして、コンパクトな生活環境に整えると出費をおさえられ、終活につながります。

親と自分の介護に備える

老後の思わぬ出費として、親やパートナーの介護、そして自分自身の病気治療や介護問題があります。そのため、あらかじめ介護が必要になった際の生活資金をどうするか、老人ホームの費用などを調べておきましょう。

思わぬ出費にも対応できるゆとりや、相談できる環境を用意しておくことが老後破産の防止になるのです。

まとめ

老後破産は身近なものであり、ご高齢の方が金銭にまつわるトラブルを抱える方が増えています。

誰にでも老後の生活困窮の可能性があるからこそ、早い段階からお金の管理などしっかりと対策していきましょう。

投稿者プロフィール

土屋福美子
土屋福美子
一般社団法人 包括あんしん協会理事
株式会社 WISHLANE 取締役

【資格】
ファイナンシャルプランナー
終活アドバイザー
高齢者住まいアドバイザー
デジタル遺品アドバイザー

お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのあなた人生のスパイスとして一生涯サポートしています。

約5000人の保険コンサルティング実務経験から
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