最近、すっかり日が暮れるのが早くなった、と感じませんか?実際、曇りの日などは、もっと早く日が暮れる感じがします。秋の日はつるべ落とし、これからどんどん日の入りの時間が早くなります。
さて、今回のテーマは、老後の資金をどのように運用していくかについてお伝えしてまいります。
最近一時期の円高傾向から一転、105円程度の円安になっています。今年の6月のBriExitの時は100円を切っていた時もありましたので、それと比較するとマイルドな円安です。
以前のセオリーでは、円安になれば輸出企業の売上が伸び、ひいては産業界全体に大きなメリットがもたらされる、というものでしたが、最近は企業の円高防衛の結果、工場の海外移転等が進み、あまり円高になっても生産高が伸びていないのが現状です。それ以上に、原油高の高騰、海外からの部品供給のコスト高が大きなデメリットになり、はたして110円以上になった場合、日本経済に与えるインパクトがどれほどのものか、少し嫌な気配になってきています。
今回の円安ドル高の背景は、もちろん日本とアメリカの財政当局のスタンスの違いです。日本政府、日銀は現状の金融緩和政策をこれから持続しつづけ、一方アメリカのFRB今年の12月には利上げをする可能性がささやかれています。これにより、金利差が大きくなり、円を売ってドルを買う動きが出てきているのが最近の円安の理由です。
一時期は、円安イコールインフレという公式が主な考え方でしたが、最近は日銀の消費者物価指数を対前年比2%上昇させようという政策を総動員しているにもかかわらず、一向にインフレになりません。それどころか、以前のデフレに逆戻りしつつあります。
インフレとデフレ、老後の生活には、どちらが有利なのでしょうか?
一般的には、インフレは敵、デフレは味方、と言われています。
それは、デフレ経済の下では、お金が一番強いからです。今の年金制度が破たんしない限り、年金受給者の方々は2月に一回、口座に入金されます。
そして、お金を運用することなく、そのまま所有することが、最大の資産防衛になるからです。デフレ下では、物の価値が下がります。従ってお金を持っていることが、一番有利に働くのです。
外食産業では、今年の年明けから、ステーキの売り上げが鈍化しており、さらには、吉野家でビールを飲む「吉飲み」がかなりの集客をしているようです。
経済は生き物ですから、景気循環によってインフレになったり、デフレになったりします。このように、経済の情勢に敏感になりながら、インフレ経済の下では資産運用、デフレ経済の下では現金に比重を置いた運用、と機動的に資産運用の方法を変えていくことが、大切な老後の資産を減らさない秘訣だと思います。
マネーデザイン 中村 伸一
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役
【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー
家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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