老後の生活、あるいは介護の話題になると、必ず登場するのが“お金”の話です。
いつか、老後生活に入ったら・・・
もしも、要介護状態になったら・・・
「どれぐらいお金があればいいですか?」
「いくらぐらい貯めておけば安心でしょうか?」
いたって真っ当な問いだと思います。
この手の質問をいただくと、いつも私は何とも言えない虚脱感を自覚します。
なぜならば、その問いの前提には
例えば・・・「3,000万円ぐらい貯めておきましょうね」といった具合に
“一問一答式”による一般的正解としての数値
が求められていることが、グイグイと迫り来る感じがするからです。
こんなとき、同時に私は条件反射のように
己を奮い立たせようとする“もう一人の自分”に気付きます。
まるで、受験問題集の巻末に収められた“回答編”でも参照するかのように
「どこかに書いてある」と思い込んで止まない正解とやらを
カジュアルに求められることに全力で抵抗しつつ
反面、その問いが、切実で真剣な思いに起因することを知っているから
「あなたの中にあるあなただけの答え」
にたどり着けるようガイドすることが
唯一、私にできることだと理解してもらえるように
そして実際にそのようにガイドできるように・・・。
例えば、介護に備えるお金のことを考えるとき
直接的な介護費用を蓄えておくことも大事なのかも知れません。
一方で、要介護状態になる原因の多くに、転倒・骨折からの寝たきり状態や
冬場の気温差(いわゆるヒートショック)による心疾患・脳血管疾患の後遺障害といった
自宅内での事故が圧倒的に多いことを知ると、私だったら
そもそも介護状態にならないために自宅のリフォームにお金をかけることを選ぶ
つまり“貯める”より“使う”という選択をするかなぁと思ってしまうのです。
何が言いたいのか?
介護への備え一つ取っても、一般的な、あるいは唯一無二の正解などないということ。
ライフプランニング全般も同様で、誰にも当てはまる数値などないということ。
あなたにとって真に納得のいく人生を送るために
インスタントな答えを求めて無意識に思考停止する習慣から、そろそろ卒業しませんか?
答えは外のどこかではなく、全てあなたの中にある!
一人で見つけるのが難しいときは、どうか遠慮なく私たちを頼ってくださいね。
ファイナンシャルコーチ 佐藤名ゝ美
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役
【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー
家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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