年賀状じまいという言葉をご存知でしょうか?年賀状のやり取りを辞退することを伝える最後の年賀状のことで、終活が流行してからは終活年賀状とも呼ばれています。
今回は年賀状じまいとは一体どういうものなのかという解説とともに、差し出す方も受け取る方も気持ちよく年賀状を終わらせるために気をつけたい書き方のポイントや、実際に使用できる文例を紹介します。
終活年賀状(年賀じまい)とは?
終活年賀状とは年賀じまいとも呼ばれており、今年で年賀状の送付を辞退することを目的とした年賀状です。
つまり、翌年から年賀状を送らないという意志を伝えるためのもので、近年では終活が流行したことをウケ、年賀状のやり取りを整理することを目的に、終活年賀状を送る人が増えているのです。
特に40代や50代など、比較的若い世代でも退職や人生の節目などキリの良いタイミングで、年賀状をしまう終活年賀状を用意する人が増えているのです。
ちなみに年賀状しまいは年賀状ではなく、寒中見舞いに今年で年賀状は修了すると言った旨を記載することもあります。
寒中見舞いの場合は、1月7日までか、2月4日の立春までに送るように投函することがマナーです。もし喪中などで寒中見舞いを送れない場合は、1月末までに終活年賀状を送るようにしましょう。
終活年賀状を送るメリット
終活年賀状を送る人が増えているのは、次のようにいろいろな理由があります。年賀状が負担になっている人や、将来に備えて人間関係を整理したいと考えている人はぜひ参考にしてください。
年賀状を書く体力・時間・費用の負担から解放される
年賀状を1枚ずつ手書きしたり、送るリストを作成したりといった時間的体力的な負担から解放されることが、終活年賀状を送る大きなメリットです。
若い頃は問題なく作成できていた年賀状も、年を重ねるごとに制作に時間がかかったり、何を書こうか迷ったりといろいろな負担が出てきます。また、年賀状を数百枚も送るといった交友関係が広い人にとっては、年賀状を購入しプリントするだけでも費用がかかります。
退職し年金生活になって収入が減るからこそ、年賀状の出費をおさえて年末年始を迎えるためのお金にしたいと考える方も増えているのです。
今の交友関係の見直し・整理ができる
終活年賀状はこれからの人間関係を見直し、整理するきっかけになります。何年も年賀状を送るだけの関係になっている方、年賀状が送られてこなくなった方などを見つけ、今つながりがある特定の人の連絡先だけを控えておくなど、今の交友関係をコンパクトにできます。
特に退職によって仕事上の付き合いがなくなる方が多くいます。そんな状況の中、お互いに年賀状を送り合う負担をかけずとも、別の形での付き合いを希望するなどして、交友関係と連絡手段の整理ができるのです。
年賀状以外の連絡手段に変えることで新しい人間関係が生まれる
近年はインターネットの発達により、メールやSNSで連絡を取り合う人が増えています。そのため、年賀状という手段に頼らず、すぐに連絡を取り合えるアプリやSNSへ移行できることも終活年賀状を送るメリットです。
年賀状を送り合うのではなく、SNS上やアプリ上でつながっておくことで、縁を切らずに連絡を取り合いたいときに取れる関係性を目指せます。
終活年賀状を送るときの注意点
終活年賀状は、通常の年賀状とは違い年賀状を送らないことを伝えるデリケートなものでもあります。それゆえ相手に失礼のないよう、次のように送るときの注意点を守っておきましょう。
最初に挨拶や近況を書く
終活年賀状でも最初に新年の挨拶や近況など、本来の年賀状で書く内容をしっかりと記すことがマナーです。書き出しから年賀状を今年で終了するといった旨の話題は、ネガティブなイメージになってしまいます。
まずは新年の挨拶などを最初にしっかりと書いたうえで、年賀状じまいすることを伝えましょう。
決ま挨拶や近況報告はしっかりとする
今後の連絡手段の方法を提案する
定年や70歳の古希などの年齢の節目など、年賀状じまいをする理由を伝えたうえで、最後に今後はどのような方法で連絡をとりたいか伝えましょう。
たとえばLINEなどのアプリであれば、後ほど電話帳を通じて友だち登録をするといった旨を書いておけば、縁が切れる心配はありません。また、メールアドレスなど気軽に連絡がとれる連絡先を年賀状に記載する方法もあります。
年賀状じまいと聞くと、完全に人々とのつながりを断ってしまうイメージがありますが、あくまでも年賀状のやり取りは控えて、引き続き別の方法で知人として付き合いを続けるためのものです。
終活年賀状の例文
「あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。本年も昨年と変わらず、お引き立ていただきますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
さて誠に勝手ながら、退職という人生の節目を迎えたため本年を持ちまして年賀状でのご挨拶を控えさせていただくこととなりました。
今後はメールやSNSを活用してメッセージをやりとりできればと思います。
今後はメールやSNSにてご挨拶させていただければ幸いです。私のメールアドレスは〇〇です。」
「あけましておめでとうございます。旧年は大変お世話になりました。
さて勝手ではございますが、旧年還暦を過ぎて寄る年波により、年賀状の作成が難しくなって参りました。
そのため、本年をもちまして皆様への新年のご挨拶を終了とさせて頂きます。
今後はメールアドレスや電話にて、引き続きお付き合いを続けさせていただければと思います。本年も〇〇様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。」
仕事相手に送るときと、親しい知人など相手によって文章を変えていきましょう。
ただし終活年賀状は挨拶の次に年賀状を今年で終えること、そして今後についての流れで記載する点は共通です。
まとめ
終活年賀状は近年、送る人が増えている新しい形の年賀状です。お互いの負担を考えたうえで、別の形で連絡を取り合う形にしようと提案することが主な目的です。
終活年賀状はしっかりと年賀状を終了することを伝え、連絡手段を新しく伝えることが大切です。しかし、年賀状を送りあっているからこそつながっている縁もあります。
人生の節目に年賀状を終了しようと考えている方は、本当に年賀状をすべて終了しても後悔がないのかじっくりと考えたうえで選択しましょう。
投稿者プロフィール

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一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役
【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー
家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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