終活

どう 生きますか 逝きますか」③ 「墓について」

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今回も引き続き、8月6日発刊の週刊ダイヤモンド「死生学のススメ」死生観1万人調査のアンケートを基に考えていきます。

(本年6月下旬、全国の30~79歳の男女にアンケートを実施。年代ごとに約2000人ずつ合計9602人から回答を得ている。平均世帯年収は559万円との事。)

 

今回は現代の「墓について」考察したいと思います。

 

アンケート結果⑥ 「墓参りについて」

過去一年以内に墓参りしたかどうかに対する結果は以下の通りです。
過去一年間にお墓参りをしたか

昨今、墓に対する多様な新しい考え方を聞く機会が多くなってきたと感じるが、意外と半数以上の方が、墓参りをしている現状は、ある意味、ホッとする結果だと感じたのは私だけでしょうか?

やはり自分のルーツである先祖に手を合わすという行為は、日本人にとって心底では必要と感じている方が多いということでしょうか?

では、さらに深くみていきましょう。次は、墓参りする理由です。

 

アンケート結果⑦ 「墓参りをする理由」

この結果から、墓参りの対象が「家系代々の先祖」と「顔の見える故人」の割合がほぼ同じという点から、これまでの先祖や家系に対する意識が薄れてきていて、実際に顔のわかる故人に対する意識の方が大きくなっていく傾向と言えないでしょうか?。これは、幼少期より日常生活において、かつてよりも先祖や家系を意識する機会が減っていることに原因があるように感じます。

続きまして、次は、希望する墓、埋葬方法についてです。

 

アンケート結果⑧ 「希望する墓、埋葬方法」

これからは、これまでの先祖代々の墓以外の多様な選択肢を選ぶ傾向が見て取れます。また、樹木葬や散骨といった自然に戻す(戻る)いわゆる自然葬の割合が合わせて約2割に上り、今後この割合が、墓石のある墓からシフトしていくと考えられています。

確かに、残された遺族に墓守の負担を考えると、この結果はうなずける点かと思います。

 

続いてはお葬式についてです。

 

アンケート結果⑨ 「葬式について」

皆さんこのグラフを見て、いかがでしょうか?葬式が不要といった割合が最も多い結果になっていることに驚かないでしょうか?私自身、当然、そういった考えは一定数あるとは思っていましたが、一番多い回答という点は驚きです。

 

これらの⑥~⑨のアンケート結果から、これまでのしきたりや風習にとらわれることなく、残された遺族が困らないようにという思いの基、より合理的かつ簡略的な方法を希望する傾向があると言えるかと思います。

 

亡くなっていく人が増え、人口が減少していく社会において、当然そういう傾向になっていくのには、当然の結果なのかもしれません。しかし、自分のルーツに意識が薄らいでいくことは、自分自身の人生そのものの意義や使命感等を醸成しにくくなるのではないかと感じました。

 

皆さんはいかが感じられたでしょうか?

 

・・・ つづく

FPコンサルタント 大井尉行

投稿者プロフィール

大和泰子
大和泰子
一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役

【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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