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二人暮らしでも無関係ではない”おひとりさま生活”

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50代からの終活と題して、シニアライフへの備えに役立つ情報をお届けしている連載。過去のコラムでは「おひとりさまの将来」と題して、中長期的な将来で50歳以上の単身者数がどのように増加するかといった推計についてご紹介させていただきました。

過去の参考コラムはこちら↓↓
おひとり様の将来〜50代からの終活〜

配偶者がいる方の「おひとり様」の可能性

自分は結婚しているし子どももいるから、おひとり様暮らしには縁がない」とお考えの方にも、推計をご覧いただきたいところです。国勢調査等を中心とした2035年時点の推計によると、結婚歴がある方が将来おひとり様生活となる可能性

女性の場合、将来的に4人に1人
男性の場合、将来的に11人に1人

といった結果が示唆されています。男女で大幅に差異があるのは女性の方が平均寿命が高い傾向によってあらわれる違いということです。

皆さまにとってもおそらく実感がある通り、近年では「親と子世帯の同居」といった暮らし方が減少しており、2035年には「夫婦と子どもの世帯は全体の約2割まで縮小する」と見られています。よって配偶者がいる方もパートナーとの死別後はおひとり様で生活するケースが増え続けているのです。

推計ではこのような可能性が示唆されており一見すると「孤独」や「寂しい老後」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、夫婦二人での老後、その後のおひとり様での老後が認められる社会というものは 「家族(血縁関係)のなかでの役割に縛られず、自分らしいシニアライフを選べる社会」とも言えるのではないでしょうか。

パートナーの有無に関わらずおひとり様でのシニアライフが訪れる可能性が高いことを受け入れた上で、自分自身で理想のシニアライフを選び取る備えを築いておきたいものですね。

話し合っておきたいテーマ

 

お金についての備え

死別後におひとり様生活になる可能性を考慮して話し合っておきたいテーマのうち、筆頭にあげられるのが「生活資金の備え」について。とくに日本の遺族年金制度の下では、夫が亡くなった場合に比べて、妻が亡くなった場合は夫へ支給される年金が少ない可能性もございます。

共働き、専業主婦家庭とも、子どもがいれば遺族基礎年金が支給されることに変わりありませんが、中高齢寡婦加算と呼ばれる年金は対象者が妻に限られるため、妻と死別した夫には支給されません。さらに、共働きの場合に支給される遺族厚生年金は夫ではなく子どもに支給されること、子どもが18歳になると支給がストップされる制度であること。子どもがいない場合には、遺族年金の支給はありません。

生命保険の加入条件など、夫の死亡保障を重視する家庭も少なくありませんが、社会保障の面でみれば残された夫が受け取れる支給金が少ない傾向にあることからも、「夫が死亡した場合」「妻が死亡した場合」とケース別にシミュレーションしておきましょう。

お墓問題の備え

また、お墓問題についても「死別後のおひとり様暮らし」になる前に話し合っておきたいテーマですね。

お墓を残し続けるか
妻は夫の家の墓に入るか
夫婦で新しいお墓をつくるか
妻は実家のお墓に入るか
夫婦どちらかが死亡した後のお墓の管理は?
そもそも墓をまとめて永代供養してもらうか

といった風に選択肢は非常に多様化しています。
そして、先祖代々の供養に関わるお墓問題は夫婦二人だけで決めきれない場合もあるため、夫婦での思いをまとめた上で、子どもや親族と共に今後について話し合っておけるに越したことはありませんね。いずれにしても、残された伴侶のおひとり様生活にとって、負担にならず心の支えになるようなお墓の残し方、供養のあり方を準備しておきたいものです。

 

ということで、今回のコラムでは「二人暮らしでも無関係ではないおひとり様生活」と題して、配偶者のいる方が将来おひとり様生活を迎える可能性や備えておきたい問題について、ご紹介させていただきました。

投稿者プロフィール

大和泰子
大和泰子
一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役

【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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