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地産地消を楽しむ暮らし 〜50代からの終活 シニアの生きがい楽しみ〜

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シニアライフへの備えに役立つ情報をお届けしているコラムシリーズでは、「生きがい・楽しみ」に焦点を合わせて人気な趣味や過ごし方について特集しています。シニアライフについて考える上で特に注目を集めるテーマの一つが「認知症問題」について。2020年の統計結果では、65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%、約602万人と報告されており、割合でみれば6人に1人が認知症有病者と報告されており、歳を重ねる上で誰にとっても遠くない存在の問題ではないでしょうか。

あらゆる人のシニアライフにとって認知症は無関係とは断言できない一方、認知症になりにくいライフスタイルについての研究も日進月歩で報告されています。例えば、認知症になりにくいライフスタイルには「生きがいの有無」が影響していることが科学的にも示されています。

2010年に実施された調査によると、平均80歳の男女を対象に4年間の追跡調査を行ったところ、生きがいがある人はない人に比べ、アルツハイマー型認知症になりにくい有意差が約2.4倍もあると認められたのです。また、軽度認知障害(認知症の前段階)の発症リスクも「やりがいを持っているシニア」はそうでないシニアと比べて1.5倍低かった結果が出ています。

シニアライフを充実させる「やりがい」は、認知症になりにくい生活習慣にも繋がっているということ。
老後のやりがい・楽しみに関してご紹介しているシリーズのコラムですが、今回は「地産地消を楽しむ暮らし」に視点を充ててご紹介します!

 

地産地消とシニアライフの繋がり

健康寿命を意識する方ならば、食生活にも関心が高まるところです。せっかく食事にこだわるならば、食材の産地ごとの違いを知ったり、生産者を知ることで、さらに食事の時間を充実させていきたいものですね。産地や生産者と繋がる暮らしに関連して「地産地消」といった言葉が使われることがありますが、地産地消とは名前のとおり「その地域で生産されたモノを地域内で消費すること」を表します。

地域でつくられたモノを地元で消費することは、輸送のコストが軽減されCo2の排出が少なく、環境への配慮といった面からも近年改めて見直されている価値観です。

例えば小学校によっては、地産地消を意識したメニューが提供されたり、地元の木材で作った学習机を子どもたちが使う環境が提供されたりと、「地域のものを地域でつかうことの魅力」は教育のなかでも取り入れられています。

そして、健康や「やりがい」を意識したいシニアライフにおいても、地産地消を取り入れる暮らしには魅力が詰まっています。
地産地消を取り入れるシニアライフの魅力について、ポイントを3つに絞ってご紹介してまいりますね。

1)生産物をきっかけに人と繋がること

対象を食材に絞って考えると、近くで育まれて運ばれた食材は何よりも新鮮である魅力がありますね。
新鮮な食材は、それに比例して栄養価が高いため、食の質を高めたいときに欠かせない魅力です。

しかしながら、地産地消の魅力は新鮮な生産物を選べることだけに留まりません。
私たちの食生活は、舌の味覚だけで楽しみを感じているわけではありませんね。
大切にしたい食事の時間では、五感を働かせながら、その料理に含まれた物語を想像して、頭でも考えながら料理を味わっています。

どんな地域で、誰がどのような思いで育んだ食材であるのか。
地産地消を取り入れた食卓では、生産物をきっかけに、その裏側にいる生産者にも繋がることができるのです。
地産地消で食材を選ぶ暮らしは、単に栄養を取る目的だけでなく、食事の時間から生活の充実度を高めてくれる可能性を秘めています。

 

2)応援したい人へお金を使うこと

地産地消を取り入れる暮らしの魅力は、お金の使い方にもありました。
なぜなら、お金を使うことは、投票と同じだからです。

その商品を買うことで、どんなモノづくりをする人たちを応援したいか。
私たちは日々の買い物を通じて、世の中にどんな商品や作り手が残ってほしいのか、日々投票を続けていますよね。

このように、買い物は作り手への投票といった性質を持つ中で、
地産地消の暮らしを続けていると「この人の仕事を応援したい」「次の世代にもこんなモノを残したい」といった思いが芽生えてくるかもしれません。

もちろん都市で大量に流通している商品を買うことも、投票の一つですが、地産地消のなかで流通しているモノに関しては、作り手の思いや姿に触れられる機会が多いのです。

地産地消を通じて「この生産者を応援したい」というポリシーに従ってお金を使うことは、買い物の充実感を格段に高めてくれるものです。

 

3)生産する喜びに触れること

 

さらに地産地消の暮らしに魅了されていくと「自分も作り手になってみる」といったステージが待ち受けているかもしれません。
自宅の庭に小さな菜園をつくってみたり、最近では都市近郊に月額で借りられるシェア畑のサービスも拡充されています。

自分でつくった野菜を料理して食べる喜び。
さらに、つくった野菜を人にプレゼントして喜んでもらったり、野菜や料理の交換で人付き合いが生まれることも。

毎日植物のお世話をする習慣があるシニアは、そうでない方々よりも認知症へのリスクが軽減されたり、
生活の充実度を高められるといった研究結果も明らかとなっています。

毎日自分の育てた野菜のお世話をすることは、身体を動かすだけでなく、生産する喜びを通じて心の健康にも繋がります。

 

近くの直売所や朝市を見つけてみよう

自然環境への配慮のみならず、暮らしの充実度まで高めてくれる、地産地消を楽しむ暮らし。

いきなり家庭菜園まで手を伸ばすのはハードルが高いという方は、
お近くの直売所を探したり、地元産野菜が買えるお店の一画を探してみて下さいね。

仏教から生まれた「身土不二(しんどふじ)」という言葉には「ひとの身体と暮らす土地は二つに離れることができない」という意味が含まれています。その土地のものを食べて生活することで、健康かつ幸せな生活を送れるという真理が示されています。

より健康で充実したシニアライフをおくるために、地産地消を楽しむ暮らしを取り入れてみるのはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

大和泰子
大和泰子
一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役

【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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