冬季うつと認知症との関連について
何事にも関心を示さなくなったり、落ち着きがなくなるような症状が見られることから「認知症ではないか」と勘違いされることも多い冬季うつ。冬季うつは兼ねてから「仮性認知症」と呼ばれていたこともあるほどですが、実際に2008年に行われた専門学会(日本精神神経学会総会シンポジウム)では、冬季うつと認知症には確かに関連があることが報告されています。
当学会で報告された資料によると、アルツハイマー型認知症においては40〜50%に抑うつ症状がみられ、さらに10〜20%程度がうつ病の合併症状が見られるとされています。
このような事実から、冬季うつをきっかけに認知症に繋がるリスクを減らせるような生活習慣を心がけたいところです。
そもそも、冬季うつって?
冬季うつとは、特に冬季になると気分が沈みがちで、活力や興味を失う鬱病の一種で、正確には季節性情動障害と名称が付けられています。一般的には、秋〜冬季の日照時間の減少が影響しており、主に寒冷な季節に現れる傾向があると報告されています。
人間の身体は、日光に照射されることで「幸せホルモン」の通称を持つ、神経伝達物質のセロトニンが分泌される仕組みですので、日照時間が短くなると、幸せホルモンの分泌も減少してしまうということです。
セロトニンの分泌が減少した結果、
気分の落ち込みや憂鬱感を感じやすい
興味や活力を失ったり、集中力が低下する
身体が重たく感じられ、運動能力が低下する
食欲が増減したり、睡眠障害を発症する
このような身体や心の変化が表れることが、冬季うつの代表的な症状です。他にも、頭痛やめまい、肩こり、吐き気、耳鳴りなどの不調の原因を探ると、冬季うつが関係していたというケースも珍しくありません。
冬季うつの予防に繋がる生活習慣
寒さ厳しい季節には、屋外へ出ることが億劫になりますが、冬季もなるべく日が照っている時間帯には屋外へ出て、身体を動かすことが冬季うつの予防習慣に繋がります。
①自然光にあたること
⇨可能な限り屋外に出て、自然光を浴びるように心掛けましょう。
②運動すること
⇨運動は心の健康に良い影響を与えます。定期的な運動を行いましょう。
③規則正しい生活リズム
⇨規則正しい生活リズムを保つことで、睡眠や食事の質を常々向上しておくことが予防に繋がります。
④専門家への相談
⇨症状が重い場合や日常生活に影響がある場合は、医師や心理カウンセラーに相談することが重要です。
日照時間が減少する冬季は、冬季うつのリスクが潜んでいることを認識して、このような生活習慣を心がけましょう。
冬季うつも、認知症も、早期発見が肝
多くの病気において同じことが言えますが、冬季うつの対処においても、肝となるのは「早期発見」です。年齢が原因の不調と思って諦めるのはNGです。
冬季うつを発症した場合は、カウンセリングや生活習慣の見直しのほか、特殊なランプの利用した「ライトセラピー」といった治療を受けることも可能です。
長引く不調を”加齢の影響だから仕方ない”と早々に諦めず「外科や内科で検査しても、確たる異常が見つからない」というときは、心療内科を受診することを選択肢の一つに知っておいて下さいね。
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会代表理事
株式会社 WishLane 代表取締役
【資格】
終活アドバイザー
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
デジタル遺品アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー
家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居でにぎやかに生活中。
一生涯のライフプランをサポートする中、独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った時、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思ったのがきっかけで、おひとり様サポートを行う「一般社団法人包括あんしん協会」を設立。
5000人の保険コンサルティングの実務経験から、保険の「資金準備」だけでは足りないと実感。「お金」「心・身体」「人」のトータルサポートを目指している。実際におひとり様が病気や介護になった時、また死亡時のサポート業務を行なっている。おひとり様の終活準備の必要性を啓もうする為セミナー講師としても活躍中。
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